勝手に家に入る…「放置子」が親元に帰らないワケ

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アメリカの「放置子」対応は?

 そんな中、児相は増え続ける虐待問題の対応に追われています。ネグレクトされる子どもや放置子を減らすには、児相への通報が大切ですが、行政機関だけに頼るだけでなく、社会も変わる必要があります。

 日本よりも問題を抱える家庭が多いアメリカなどは、どのように対応しているのでしょうか。

 ほとんどの州で、「時間の長さにかかわらず7歳以下の子どもは、1人だけにしてはいけない」など、親が守るべきガイドラインが設定されています。放置したことが関係機関に伝われば、親権は停止され、調査終了までは子どもは親から離され、保護されることも珍しくありません。

 アメリカでは子どもは、「社会の子」という認識で、誰もが健康で幸せな環境で育つ権利があると考えられているので、必要があれば子どもから親を引き離すことも珍しくありません。親としての義務と責任を明確にしており、放置子が発生しにくい環境を作っているといえます。

放置子を社会で育てる

画像はイメージです
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 戦後間もない頃の日本には、孤児や親に恵まれない子どもは一定数存在していました。高度経済成長期には共働きの家庭が増え、放課後、家に帰っても親が不在で家のカギを持ったまま遊んでいる「カギっ子」たちがいました。当時は祖父母や近隣の人々が、親にかわって手を差し伸べていたものです。

 最近では、見知らぬ子どもを注意したら、「その親から怒鳴(どな)り込まれた」といった話も聞きます。地域の大人たちが、見知らぬ子どもに手を差し伸べることが難しい時代になったと言えます。

 日本も「社会の子ども」という考え方を取り戻し、親の愛情に恵まれない子どもを、社会が代わりに育てることができる制度作りを、考えなければならない時期に来ています。必要があれば子どもから親を引き離すことも検討すべきだと思います。

プロフィル
深谷 野亜( ふかや・のあ
 松蔭大学コミュニケーション文化学部准教授・松蔭大学学生相談室長。大正大学、明治学院大学非常勤講師。1967年、宮城県生まれ。明治学院大学社会学部卒業、上智大学大学院教育学専攻博士後期課程満期退学。共著に『こども文化・ビジネスを学ぶ』(八千代出版)、『日本の教育を考える第三版・第四版』、『育児不安の国際比較』(学文社)ほか。

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60471 0 深読み 2019/01/16 18:00:00 2019/02/05 16:16:06 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190116-OYT8I50081-T.jpg?type=thumbnail

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