認知症の80歳がCDデビュー、英国で起きた奇跡

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本当に大切なものとは

アビーロードスタジオ前で(c) Decca Records
アビーロードスタジオ前で(c) Decca Records

 CDデビューでちょっとした有名人になったテッドの近況を聞いた。病状はますます進行したが、代わりに、家族にはかけがえのないものを残したようだ。

 「みんな親切で優しく接してくれています。父は人に話しかけるのが好きで、それを楽しんでいます。一度、スーパーに連れていった時には、何人もの人がやってきて、父とおしゃべりをしました。

 父は今でも歌います。しかし、最近、頭の中はますます混沌としてきたようです。病状は一段と進行しました。その代わり、私たちには素晴らしい思い出ができたのです。

 最後に言いたいのは、私の書いた本はただの認知症本ではないことです。病気のことだけで、父がどんな人かを決めつけてほしくはありません。父には80年の人生があることを忘れてはいけません。

 愛する人が徐々に消えていくという状況に突然、放り込まれた時、あなたは何が大事なのかを真剣に考えるようになるでしょう。

 私が子どもの頃、父はよくこう言いました。『なあ、サイモン、おまえが幸せだと思うなら、それでいいんだ』。父の言ったことの何と正しかったことか」

 

プロフィル
サイモン・マクダーモット
 1975年、父テッドと母リンダの間に生まれる。テッドが認知症になった後は、リンダとともに介護を続ける。認知症の影響で息子のことを忘れてしまったテッドとの絆を取り戻すため、「車中カラオケ」を思いつく。テッドが歌う姿を動画で撮影し、フェイスブックに投稿。動画は世界中で反響を呼び、テッドの歌手デビューに貢献した。テッドが夢をかなえるまでの道のりを本にまとめ、その日本語版である『父と僕の終わらない歌』(ハーパーコリンズ)が2018年11月、刊行された。

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177603 0 深読み 2019/01/22 12:22:00 2019/01/22 12:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190122-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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