見せかけの非核化、譲歩かすめ取る北朝鮮の策略

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 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による2回目の米朝首脳会談が、2月下旬頃に開かれる。昨年6月の第1回会談以降、膠着(こうちゃく)状態が続く核問題に、進展が見られるかが最大の焦点だ。制裁で経済が苦しい北朝鮮は、非核化の見返りに制裁の一部緩和などを要求しているが、北の言う「非核化」がどのようなものか、慎重に見極める必要がある。龍谷大学の李相哲教授が北の手の内を読む。

米国に「行動を示すべき」と要求

ワシントンを訪れ、ポンペオ米国務長官(右)と会談した北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長。2回目の米朝首脳会談が2月下旬頃に開かれることになった(1月18日)=ロイター
ワシントンを訪れ、ポンペオ米国務長官(右)と会談した北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長。2回目の米朝首脳会談が2月下旬頃に開かれることになった(1月18日)=ロイター

――金正恩氏は、2回目のトランプ氏との直接会談で、何を得ようとしているのか。

 「ずばり、制裁緩和です。そのために、米国には1回目の会談での約束を履行してほしい、と要求するでしょう。今年の『新年の辞』で、金正恩氏は『米国は世界の前で表明した約束を守らなければならない』と語っています。

 制裁緩和と1回目の会談がどう関係しているかというと、会談で両者は信頼醸成のために関係改善を約束しました。

 共同声明には「新しい米朝関係の樹立」(第1項)と、「平和体制の構築」(第2項)という言葉が盛り込まれました。それを実現するためには、制裁を解除し、信頼関係を作るのが先決だというのが、北朝鮮の主張です。

 北朝鮮は核実験場を破壊し、ミサイル実験施設の一部を解体しました。北朝鮮にのみ、一方的な行動を要求するのではなく、米国も行動を示すべきだというわけです。

 金正恩氏も、今まで北朝鮮が取った措置だけでは米国は納得しないだろう、ということは認識しているので、2回目の首脳会談では一定の譲歩をするのではないでしょうか。

 例えば、核物質の抽出停止、寧辺にある核関連施設の閉鎖または廃棄、長距離弾道ミサイル=ICBMの段階的な廃棄と引き換えに、制裁の一部解除を求めるといったものです。

 制裁解除の範囲としては、テロ支援国家の指定を外し、韓国との間で再開しようとしている開城(ケソン)工業団地の再稼働、金剛山観光を含む観光事業の再開を認め、精製油などのエネルギーの輸入制限解除を要求するでしょう。

 米国はこれまで、非核化のためには、まず北朝鮮が核関連施設、核物質、ミサイルの弾頭がどこに、どれだけあるのかを「申告」し、いつまでに廃棄、または搬出するつもりなのかを示す大まかなロードマップが必要というのが、基本的な立場でした。北が新たな提案をしてきた場合、どこで折り合うのかをしっかり考えておく必要があります。

 北朝鮮は、金正恩氏の『新年の辞』にあったように『これ以上核を作らず、実験もせず、使用も伝播(拡散)もしない』のだから、『米国が信頼性のある措置をとり、それ相応の行動で答えるべき』という立場を押し通してくるのではないでしょうか。

 金正恩氏の基本的な考え方は明白です。すでに作った核兵器を温存したまま、これらの条件について話し合い、米国との関係を動かしたいと考えているので、警戒が必要です」

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