JR東が実験「山手線の自動運転」は実現するか

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

労働力不足が普及の追い風に?

駒込駅近くに唯一残る山手線の踏切
駒込駅近くに唯一残る山手線の踏切

――日本が自動運転に後れを取ったのは、国の規制が厳しいからでしょうか。

 確かに国は、安全運行のため厳しい基準を設けています。ただ、理由はそこではなく、鉄道事業者が自動運転の導入に消極的だったためと思えてなりません。

 労働力の不足が深刻化してきました。高い技量を持つ運転士を確保しづらくなり、事業者もようやく自動運転への関心を深めつつあります。

 ただ、自動運転を導入する目的が、人手不足対策だけではもったいない。列車の運行間隔を今よりも短くできれば、ラッシュ時の運行本数が増える。混雑率は下がり、利用者に恩恵をもたらすことができる。また、突発的に大量輸送が必要になっても素早く対応できる、事故で一部区間が不通になった時、速やかに途中駅での折り返し運転を始められる……。そういったところにも、自動運転の利点があるはずです。

――山手線で始まった実験は、海外との差を埋めるきっかけになるでしょうか。

 そうですね。自動運転は、線路内に人を侵入させないことが大前提ですから、山手線のホームドアは全駅に設置されるでしょう。あとは、駒込駅の近くに1か所残る踏切をどうするか。また、山手線は他の路線と直通運転していませんが、京浜東北線など踏切がいくつもある路線、ホームドアがない路線とは並行しています。このあたりの課題は、国土交通省の検討会で話し合われるでしょう。

 山手線のほかにも、自動運転の導入を検討しやすい路線はあります。例えば、各駅停車だけで通過列車がない路線。いくつもの路線が乗り入れていると、自動運転は難しいと考えられがちですが、実はそうでもないのです。

 ラッシュ時の運行本数が限界に達し、混雑率が下がっていない路線はいくつかあります。これらの路線の事業者は特に、自動運転実現までの10年計画を立て、本腰を入れてほしいと願っています。(聞き手 読売新聞メディア局編集部次長 室靖治)

プロフィル
高木 亮( たかぎ・りょう
 1967年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京電力の電力技術研究所、英バーミンガム大学鉄道研究センター・リサーチフェローなどを経て、2006年、工学院大学助教授、17年に教授に就任。専門は電気鉄道システム工学。著書に「基本からわかる パワーエレクトロニクス講義ノート」(共著、オーム社)などがある。

1

2

3

無断転載・複製を禁じます
416331 0 深読み 2019/02/01 07:00:00 2019/02/01 09:16:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190131-OYT8I50021-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
500円400円
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ