日産は「ゴーン式経営」から卒業できるか?

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 日産自動車、三菱自動車工業両社の会長を務めていたカルロス・ゴーン被告が逮捕されてから間もなく3か月。両社と仏ルノーの巨大自動車グループは今も大きく揺れている。日産と三菱自はゴーン被告を会長職から解任し、被告自身もルノーの最高経営責任者(CEO)などを辞任したが、それ以前から、「ゴーン被告の経営手法は時代に合わなくなりつつあった」と指摘するのは専修大学教授の中村吉明氏だ。ゴーン改革の「光と影」の側面や、自動車産業が大変革期を迎える中で日産や三菱自が進むべき道などについて解説する。

「絶対的トップ」カルロス・ゴーン

カルロス・ゴーン被告(2016年、横浜市内で)
カルロス・ゴーン被告(2016年、横浜市内で)

 ゴーン被告は1999年、経営難に陥っていた日産の最高執行責任者(COO)に就任すると、経営再建計画「日産リバイバルプラン」を掲げ、村山工場(東京都武蔵村山市)など国内5工場の閉鎖など、大規模なリストラによるコスト削減策を矢継ぎ早に実行した。ルノーとの連携による部品共同調達や車体の共通化などで「規模の経済(スケールメリット)」も追い求めた。

 プランが奏功し、日産は“復活”した。リーマン・ショック後にもグループ全体で2万人規模のリストラを断行し、この時も業績を回復させた。こうした剛腕と抜きん出た実績によって、今回、逮捕されるまでゴーン被告は日産の絶対的なトップとして君臨し続けた、といえる。

時代遅れ?の「ゴーン改革」

 ゴーン被告の経営再建の手法は、2000年代前半までは順調に効果を示しているように見えた。しかし、その後は徐々に時代に合わなくなっていった。

 今後、自動車業界に確実に押し寄せるのが「EV(電気自動車)化の波」だ。そこでは、電池や制御部品などの技術力こそがモノを言うようになる。

 しかし、ゴーン被告は社長兼CEO在任中の17年3月、系列の自動車部品メーカー「カルソニックカンセイ」(カルカン=さいたま市)の株式を米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却してしまった。

 カルカンは元々、スピードメーターなど運転席回りのシステムやエアコンなどに強みを持ち、技術力も評価されていた。そして、近年はEV向け部品の開発にも注力しており、ゴーン被告も社長就任後にカルカンへの出資比率を高めていた。

 ゴーン被告がリストラや、部品会社などの系列解消による改革を進める中でも、「カルカンだけは特別ではないか」と筆者は見ていたが、結果的に「決別」した。株式売却益が目的だったのかもしれないが、EV化の切り札にも成りえた可能性を考えると、その姿勢にはやはり疑問を呈さざるを得ない。

 

1

2

3

4

無断転載禁止
441654 0 深読み 2019/02/14 07:00:00 2019/02/14 12:01:17 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190207-OYT8I50046-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ