日産は「ゴーン式経営」から卒業できるか?

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「CASE」への対応に不安

日産の本社が入るビル(横浜市西区)
日産の本社が入るビル(横浜市西区)

 現在の自動車業界は「100年に1度」と言われる大きな変化の真っただ中にある。そのスピードは速く、ゴーン被告の改革の影響が色濃く残る日産や三菱自は、取り残されてしまうのではないかと筆者は危惧している。

 現在の自動車業界の変化の潮流を象徴する言葉が「CASE(ケース)」だ。Cは「コネクテッド(インターネットとつながるクルマ)」、Aは「オートノマス(自動運転)」、Sは「シェアリング(共有=カーシェアリングやライドシェアリング)、そしてEは「エレクトリシティー(電動化)」。この四つの流れが同時に押し寄せている。

 現時点で、日産などのCASEへの対応は不十分と言わざるを得ない。E(電動化)に関し、電池事業の子会社などを売却したのは前述した通り。だが、それ以上に遅れている領域が、S(シェアリング)だ。

ライドシェアリングで「出遅れ」

 「少子化」や「若者の自動車離れ」を背景に、自動車メーカーの多くは、近い将来、自動車の販売台数が増えなくなると予測し、その主因となり得る「ライドシェアリング」(複数の人で自動車を共有すること)に注目。様々な関連企業と連携を始めている。

 例えば、トヨタはライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズと米グラブに出資している。後者にはホンダも出資する。これらと比べると、日産はライドシェアで先行する海外の企業などと積極的に連携しようしているようには見えない。むしろ、「受け身」的に感じるほどだ。

 A(自動運転)に関しては、日産も衝突防止で世界屈指の技術力を持つイスラエルのモービルアイ、その親会社の米インテルのほか、日本のDeNAとも組んで、システムの研究開発などを進めている。とはいえ、ライバルのトヨタは、グループの再編から新会社の設立、ソフトバンクとの連携などを矢継ぎ早に行っており、ここでも日産の対応は消極的な印象が否めない。

 自動車メーカー大変革の時代、異業種の企業との関係強化は重要だ。通信・IT企業などとの連携を模索し、CASEの波に備えなければならない。

 さらに最近、MaaS(Mobility As A Service:モビリティーのサービス化)という言葉が広く知られるようになった。バスやタクシーなど、いくつもの乗り物をつないで予約から配車、決済を継ぎ目なく行うビジネスのことだ。この領域にも多くの企業が参入している。

 この流れも「不可逆的」だ。自動車を造るメーカーが日本の産業の「主役」だった時代は終わったのだ。これからは、業界をまたいだ連携を積極的に進め、付加価値を高めなければ生き残れない時代になりつつある。

「グーグルと提携」も期待薄?

 2月に入り、一部のメディアが日産・三菱自・ルノー連合と米グーグル陣営が自動運転の分野で提携する方針を固めたと報じた。

 しかし、現在の日産などの実情を鑑みると、グーグルと組んだところで「強い幹」とは成り得ないのではないか。販売台数では3社で世界2位の規模に達するとはいえ、グーグル側に、販売台数以外のコアコンピタンスを示さないと、提携が「不発」に終わる可能性もある。

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441654 0 深読み 2019/02/14 07:00:00 2019/02/14 12:01:17 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190207-OYT8I50046-T.jpg?type=thumbnail

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