わが子が発達障害?親がぶつかる「最初の壁」

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子どものこころの専門医が足りない

子どもの心の専門医は多くない(写真はイメージ)
子どもの心の専門医は多くない(写真はイメージ)

 なぜ、ここまで時間がかかるのでしょうか? それは、子どもの心を診療できる医師が極端に少ないからです。これは首都圏に限らず、全国的な問題だと言えるでしょう。もしかしたら、地方の方が深刻かもしれません。

 私が開業する千葉市も似たような状況です。千葉県こども病院の精神科は、一時、予約から受診まで9か月待ちと言われました。現在は、翌月の予約を前月の1日(ついたち)に電話で受け付けるシステムになっていますが、枠がいっぱいになると、翌月に持ち越されます。

 千葉大学医学部附属病院のこどものこころ診療部も、年間予約枠を4クールに分け、前月の1日に電話で予約を受け付けます。ここでもやはり、枠がいっぱいになれば、次のクールに持ち越しになります。

 子どもの心を専門に扱うのは、児童精神科医か、子どもの心を専門とした小児科医です。こうした専門医を増やすためにはどうすればいいのでしょうか?

 実は、現在のところ、答えはありません。私は小児外科医ですが、外科医としてお(なか)の中の病気をすべて手術で治せるようになるまで10年以上の修業が必要でした。現在の医療システムは、医学部を卒業した後に前期・後期の研修医制度があり、それだけでも医師が基本的な力を付けるために5年以上を要します。そこから子どもの心を専門に修業を積んでも10年はかかります。つまり、今の時点で、専門医を大勢養成しようと考えても15年はかかるということです。

 たとえ15年後になってしまっても、専門医が大勢いる時代がぜひ来てほしいのですが、保護者の立場からすれば、最も知りたいのは「現時点で誰に頼ればよいか」だと思います。私は、小児科のかかりつけ医にまず相談すべきではないかと考えています。

発達障害を疑うとき

 幼い子どもを育てている親が、我が子の発達障害を疑うのはどんなときでしょうか。まず、1歳半の健診(健康診断)のときでしょう。

 健診の際に、身長や体重といった身体面のチェックをすることはもちろんですが、1歳半では、「言葉が出るか」「社会性があるか」を評価することが非常に重要になります。子どもが親との間でコミュニケーションを取れるかは大事なポイントです。

 子どもが知っているものや欲しいものを指さすのは、親に共感を求めたり、欲求を伝達しようとしたりする仕草(しぐさ)です。困った時に親に助けを求めるのも重要なコミュニケーションです。ほかの子どもに関心を持って一緒に遊ぼうとするのは、子どもの社会性を表します。おもちゃを本来の遊び方で遊べるかなどの見極めは重要なポイントです。ミニカーを走らせるのは、おもちゃに合った遊び方と言えますが、例えば、単に一列に並べるのは定型発達と少しずれているかもしれません。

 この時点で、明らかな異常があれば、かかりつけ医は専門機関に子どもを紹介することになります。しかしながら、

 1 専門機関を受診するまでに数か月待つ場合

 2 明らかな発達障害と言い切れない場合

 は、かかりつけ医も対応に苦慮します。

 千葉市の場合は、そうしたお子さんに対応するシステムがあります。療育を行ってくれる児童発達支援の施設が千葉市には59か所あります。かかりつけ医が意見書を書くと、受給者証が発行され、家族は1割負担で通所施設を利用できます。そして、かかりつけ医は子どもを発達支援施設に紹介したらそれで終わりでなく、定期的にクリニックを受診してもらい、子どもの発達の様子を保護者と一緒に見ていくのです。

 発達支援施設に通うことで、お子さんの発達が順調に進めば、それは最良の経過です。ですが、定型発達とずれていくのであれば、改めてお子さんを専門機関に紹介するという形を取ります。

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444286 0 深読み 2019/02/15 07:00:00 2019/02/15 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190213-OYT8I50014-T.jpg?type=thumbnail

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