わが子が発達障害?親がぶつかる「最初の壁」

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カギを握る「かかりつけ医」

カギを握るのは身近な「かかりつけ医」(写真はイメージ)
カギを握るのは身近な「かかりつけ医」(写真はイメージ)

 こうしたシステムは自治体によって異なると思います。すべての自治体でこうした取り組みができているとは限らないでしょう。しかしながら、発達障害の疑いのある子どもを診ていく上でカギになるのは、専門医よりもむしろ小児科のかかりつけ医かもしれないという事情は、各地で共通ではないでしょうか。

 もちろん、私を含めた小児科かかりつけ医は、児童精神科医のような高度な知識は持っていません。けれども、これだけ専門家が少ない現状を考慮すれば、当面は最初の窓口となる私たち開業医が一生懸命勉強をしていくしか解決方法はないでしょう。

 保護者の中には、開業医を「単に薬をくれる人」のように見る人もいます。しかし、かかりつけ医の役割は決してそういうものではありません。子どもの成長と発達を支援して行くのが本来の役目なのです。風邪などの治療はむしろ、「おまけ」のようなものです。

 開業医の側も、保護者の期待に応えるべく、研鑽(けんさん)を積む必要があります。千葉市医師会では、発達障害の子どもに対する勉強会や研修が始まり、私も参加しています。発達障害の疑いのある子と専門施設の間を取り持つ開業医の役割は非常に重要だと思っています。

母親の切なる思い

障害を持つ子どもと母親の絆を描いた「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社)
障害を持つ子どもと母親の絆を描いた「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社)

 18歳まで勇太君を育ててきた母親の立石さんは、これまで数え切れないほどたくさんの発達障害児の家族に講演会などを通じて接してきました。立石さんも開業医の役割がカギになると指摘します。

 自分の子どもが「発達障害かも?」と疑ったときに、自分からかかりつけ医にその話を切り出したり、発達相談センターの門を(たた)くのはかなり勇気が要ると言います。お子さんが風邪などで小児科を受診した際に、医師の方でも発達の異常がないか目を配り、もし気づいたなら、発達障害の可能性を口にしてほしいと立石さんは提言します。

 私は、この指摘は非常に重要だと思います。患者家族と開業医は何でも相談できる信頼関係を作っておき、もしも子どもに発達障害などの可能性があるのなら、この先どのようにしていくかを遠慮なく話し合う。それが何より子どものためになるでしょう。

プロフィル
松永 正訓( まつなが・ただし
 1961年、東京都生まれ。87年、千葉大学医学部を卒業後、小児外科医になる。99年に千葉大小児外科講師に就き、日本小児肝がんスタディーグループのスタディーコーディネーターも務めた。国際小児がん学会のBest Poster Prizeなど受賞歴多数。2006年より「 松永クリニック小児科・小児外科 」院長。2013年、『運命の子 トリソミー』で小学館ノンフィクション大賞受賞。近著に『 発達障害に生まれて 』(中央公論新社)。ヨミドクターで、コラム「いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち」を連載中。

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444286 0 深読み 2019/02/15 07:00:00 2019/02/15 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190213-OYT8I50014-T.jpg?type=thumbnail

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