読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

退職金も貯蓄もあてにならない「高齢者貧困」の実態

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

夫婦なら大丈夫?

 「自分には伴侶がいるから大丈夫」「退職金がある」「高齢になるまでに貯蓄が積みあがっているはず」――。そうした反論材料を並べ、「自分は貧困にはならない」と自信を持ち、老後を楽観視する人もいるだろう。

 だが、そこには甘い見通しもあるのではないか。

 まず、「伴侶がいるから大丈夫」という意見について検証してみたい。

 生命保険文化センターの16年度『生活保障に関する調査(速報版)』によると、夫婦で老後生活を送るために必要とされる日常生活費は、最低でも月22万円。旅行やレジャー、子どもや孫との付き合いや世話などを楽しむ「ゆとりある老後生活」を送りたいなら、さらに12万8000円の上乗せが必要という。

 仮に65歳で現役を退き、90歳までの25年間を夫婦で暮らすとすると、最低でも総額6600万円、「ゆとりある生活」を送ろうとすると同1億440万円が必要ということになる。

 人事院の『民間企業の退職金、企業年金および、国家公務員の退職給付金2017年4月度調べ』では、民間企業と公務員の退職金の平均額は2499万円。総務省の『高齢夫婦無職世帯の家計収支17年度調べ』では、年金を含む毎月の社会保障給付は19万1880円となっている。

 夫がサラリーマン、妻が専業主婦の世帯で、夫婦で65歳から90歳まで生きるとすると、退職金や年金の合計額は8255万円だ。「最低限」の老後生活を送るなら1655万円の余裕があることになるが、「ゆとりある老後生活」を送ろうとすると2185万円不足してしまうのだ。

退職金はあてにできない

 「自分は最低限でよい」という人も安心はできない。老後資金の柱の一つである「退職金」も過信は禁物だからだ。

 先述した人事院の調査結果は、民間企業と公務員の退職金の平均額だ。例えば、人事院の発表では、16年度に定年退職した国家公務員の退職手当と共済年金給付を合わせた平均支給額が2537万円に上るなど、公務員の退職金は比較的手厚く、支給されないこともほぼないという意味で、公務員のOB・OGは有利といえるかもしれない。

 しかし、民間企業の場合、退職金を支給する会社の数や支給額は、年々減ってきている。

 厚生労働省の『就労条件総合調査』によると、17年は調査に応じた全国の企業3697社の2割強で退職金が支給されなかったという。退職金の平均額も年々減少。1997年の2868万円から2017年には1788万円に、なんと20年で1000万円以上減っているのだ。

厚生労働省『就労条件総合調査』を基に株式会社マネネが作成(注)大卒者(管理・事務・技術職)の1人平均退職給付額。退職給付(年金・一時金)がある企業の割合
厚生労働省『就労条件総合調査』を基に株式会社マネネが作成(注)大卒者(管理・事務・技術職)の1人平均退職給付額。退職給付(年金・一時金)がある企業の割合

 退職金は企業の規模が小さくなればなるほど、支払われる金額も少なくなる傾向にある。東京都の『中小企業の賃金・退職金事情』(18年)では、大卒者が定年まで勤め上げた場合の「モデル退職金」は、従業員数が100~299人の企業だと約1516万円、10~49人だと1136万円となっていた。

 『2018年版 中小企業白書』によると、会社員のうち70.1%は中小企業勤めだ。メディアが退職金について取り上げる時は、上場している大企業などを前提にすることが少なくない。会社勤めの人の相当数が退職金に期待し過ぎ、あてが外れてしまう可能性があるとは言えまいか。

1

2

3

4

5

無断転載・複製を禁じます
455072 0 深読み 2019/02/22 07:00:00 2019/03/04 15:04:46 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190220-OYT8I50022-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
お買い上げ金額から10%OFF
NEW
参考画像
1ドリンクサービス(お一人様1杯)
NEW
参考画像
1,000円以上お買上げの方に「とうきび茶」プレゼント
NEW
参考画像
「ふぞろいの牛タン・切り落とし」一品プレゼント!
NEW
参考画像
ファーストドリンク一杯無料

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)