小学校卒業式のはかまに賛否…なぜ問題視?

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「はかま羽織」の盛装に威厳

(画像はイメージ)
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 詳しい歴史研究によると、公立・私立の小学校に卒業式が導入されたのは明治10年代のことである(有本真紀『卒業式の歴史学』講談社選書メチエ、2013年)。元々は及第者への昇級証書授与が中心だったものが式典化した。地域から多くの参観者を集め、教育成果を披露する盛大なものになったという。当時の子どもたちはそうしたハレの場へと、「袴羽織の盛装に威厳を正して」家を送りだされていた。

 しかし、戦後は急速に洋装化が進み、教育現場で和装は縁遠いものとなる。

 特に1970年代にきものの生産数量が頭打ちになると、和装産業は(ぜい)を凝らした高級・高付加価値の「フォーマルウェア」に生産を集中するようになり、きものの着用シーンはいよいよ限定された。

 それはまた、「着付けができない」「品質の良しあしが分からない」といった、きものに関する消費者の知識・スキルの低下を引き起こし、2000年代にはそうした知識不足に付け込んで悪質な販売を行う事業者が社会問題化した。

きもののネガティブなイメージ

 こうした中で、いつしか、きものは「高額すぎる奢侈品(しゃしひん)」というイメージが形成されたと言える。

 実際には、小学校卒業式用に購入・レンタルされる衣装において、和装が洋装と比べて必ずしも高額なわけではない。にもかかわらず、はかまの着用に対してだけ「華美すぎる」とか「経済的負担が大きい」といった批判が目立つのは、きものに対するある意味ネガティブなイメージを反映していると考えられる。

 また、こうした否定的な意見は、すでに大学卒業式などではかまの着用を経験した若い小学生の母親世代よりも、日本社会の洋装化ときもの離れを経験した60~70代に根強いと推察される。

 ただし近年は、そんなきもののネガティブなイメージが解消される兆しもある。

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487016 0 深読み 2019/03/14 07:20:00 2019/03/14 11:46:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190220-OYT8I50030-T.jpg?type=thumbnail

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