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聖地巡礼を通せんぼ?便利なIC乗車券のはずが…

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訪日観光客が円滑に移動できるよう

シンガポールで旅行者用に販売されているICカード乗車券
シンガポールで旅行者用に販売されているICカード乗車券

――事情はあるにしても、利用者が感じる不便は何とかならないものでしょうか。

 次善の策として、JR東海では沼津や富士など、他社との境にある主な駅(※文末に一覧)に、精算と出場処理を行う特殊な精算機を備え始めています。精算機であれば改札機と違い、通過する短時間でデータ処理をする必要がないため、時間こそかかりますが、多量のデータを処理することができます。この精算機を全ての駅に設置できれば、精算機を使う手間はかかるものの、“エリアまたぎ”問題は一応、解消します。

 またJR東日本は「着駅で現金による精算のほか、係員がICカード乗車券のチャージ残高からの精算も行えるようにしている」と案内しています。

 さらにJR西日本管内では最近、いわゆる「200キロルール」を作り、JR西日本を中心とした各社・各エリアをまたいでの乗り降りを可能にしました。例えば和気(岡山県和気町)からJRで東福寺(京都市東山区)まで行って京阪に乗り継ぎ、出町柳までというように、ICカード乗車券で関西エリアと中国エリアをまたいで乗ることもできるようになりました。

 ただし、広島から福井までといった、200キロを超える移動には対応していません。東京エリアとは違い、運賃計算データが飽和状態に達しているわけではないと思われるので、このようなケースにも対応してほしいものです。

 

――東京五輪・パラリンピックまであと1年半ほど。JR東日本は9月、訪日外国人旅行者向けのスイカを販売します。エリアまたぎ問題の解消だけでなく、国内を鉄道で自在に行き来できるよう、ICカード乗車券のいっそうの利便性向上が期待されます。

 理想的には、あらゆる鉄道会社が、乗った距離を通算して運賃を決めるようにすれば、先ほど述べた運賃計算データは激減します。利用者のメリットも大きいです。例えば現在、都営新宿線の新宿三丁目から京王新線の初台まで乗ると、わずか2駅なのに都営と京王の運賃を別々に計算するため278円かかりますが、両線を同じ鉄道会社線とみなせば174円(賃率が高いほうの都営地下鉄運賃で試算しました)で済みます。こうすれば、利用者は鉄道会社の境を気にせず、安く移動できるのです。

 ちなみに海外の都市圏では、私鉄、国鉄、地下鉄、バスなどをまるで一つの鉄道会社のように移動するのが当たり前になっています。近いところではシンガポールやソウルで実現しており、旅先で恩恵を受けた方もいるでしょう。

 東京五輪・パラリンピックまで時間は限られていますが、国土交通省と鉄道各社には検討してほしいものです。(聞き手・読売新聞東京本社メディア局編集部次長 室靖治)

 ※JR東海管内で自動精算機が設置されている駅(今年1月末時点)

 静岡地区=御殿場、三島、沼津、富士、草薙、静岡、焼津、藤枝、袋井、磐田、浜松

 名古屋地区=豊橋、蒲郡、岡崎、安城、刈谷、大府、金山、鶴舞、尾頭橋、名古屋、稲沢、尾張一宮、岐阜、大垣、千種、大曽根、新守山、勝川、春日井、高蔵寺、多治見

 

プロフィル
中尾 一樹( なかお・かずき
 1966年生まれ。総合旅行業務取扱管理者。旅行会社トラベルプランニングオフィス代表。鉄道を使った団体列車の企画などを手がけてきた。著書に「新幹線マニアの基礎知識」(共著)、「青春18きっぷ完全攻略ガイド」(ともにイカロス出版)など。

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468860 0 深読み 2019/03/04 07:00:00 2019/03/15 12:59:46 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190301-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

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