アマゾンが「銀行」を作ったら…期待と不安の理由

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 eコマース(インターネット通販=EC)世界最大手のアマゾンやSNSで世界を席巻するフェイスブックなど、海外の「巨大プラットフォーマー」が銀行業に参入する可能性が指摘されている。ロイター通信は、日銀の黒田総裁が今年1月、スイスで「(アマゾンも含めたフィンテック〈金融関連技術〉企業が)銀行セクター(業界)に重大な混乱をもたらす恐れがあり、対応も非常に難しいと懸念を示した」と報じた。プラットフォーマーが銀行になった場合、どのようなサービスを展開するのか。ユーザーとなる消費者や企業のメリットとリスクは? 既存の金融業界や政府にどのような影響を与えるのか。各国の金融制度やフィンテックに詳しい、資産運用サービス会社・ウェルスナビCEOの柴山和久氏に聞いた。

プラットフォーマーの潜在力

アマゾンの日本法人(東京都内で)
アマゾンの日本法人(東京都内で)

 プラットフォーマーが金融サービスを展開する場合、従来の銀行などが持っていなかったものを切り札にするでしょう。それは、顧客の行動や嗜好などに関する膨大なデータです。豊富で詳細な情報を基に、より個人に合った新しいタイプのサービスを提供するようになるでしょう。

 例えば、ある人が、フェイスブックで150回、友達がシェア(共有)しているニュースや投稿などに「いいね!」すると、ユーザーの家族よりもSNSのシステムのほうが、ユーザーのことをよく知るようになるとと言われています(※『ホモ・デウス 下』〈ユヴァル・ノア・ハラリ著/河出書房新社〉で紹介された研究事例を参照)。

 つまり、世の中のどんな人よりも、SNSがその人のことをよく知っていることになると考えられるのです。ユーザーに関する知識量は、本人と「いい勝負」とさえ言えます。アマゾンも、サービスをより多くの人に提供すれば、データが蓄積され、ユーザーのことを深く理解するようになります。

アマゾンなどの金融サービスとは?

 金融機関のサービスに沿って考えてみましょう。

 例えば、融資をしたり、クレジットカードのサービスを提供したりする際に、これまでの金融機関は、個人の信用履歴を顧客個人のレベルではなく、それらを集めた「一つの塊」として見てきました。「職業」や「年齢」「世代構成」などが近い人々の層を「塊」として見て、融資をする際どういうリスクがあるのか、どのぐらいの金利を負担してもらうことができるか、などを判断していたと言えます。

 これに対し、プラットフォーマーが展開する融資サービスは、ユーザー一人ひとりを深く理解した上で、個人レベルで行うことが可能なはずです。銀行に比べても正確な与信ができるようになるでしょう。

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