トラブルに強い! 同業者も驚くあの私鉄のスゴ技

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手作業の強みは列車ダイヤにも

2017~18年の京急ダイヤ(品川駅付近)
2017~18年の京急ダイヤ(品川駅付近)

――列車ダイヤの作成でも、手作業を重視していると聞きました。

 駅員や運転士が使う列車ダイヤは、駅と時間が縦横軸を構成し、「スジ」と呼ばれる斜めの線が列車を表しています。線の色は特急列車、普通列車などの種別ごとに異なり、朝夕のラッシュ時ほど密度が高いことがお分かりいただけるはずです。

 スジはまず手作業で引き、コンピューターに入力していきます。この列車はこの駅に何時何分に着いて何分に出発する……。完成したダイヤを基に時刻表が出来上がります。

 手作業の良さは、大局観に立てるところ。ダイヤを作る担当者も運転士を経験していますから、乗り降りが多い駅の停車時間や、車両を車庫と本線の間で出し入れするのに要する時間などを細々と考え、ダイヤを組み立てていきます。

 担当は平日、土日祝日が1人ずついます。担当になった当初は、花火大会などの混雑時に運行する臨時列車のダイヤを引きます。続いて、大みそかの終夜運転。次の土日祝日担当を経て、最も難しい平日担当になるという流れを踏みます。

――手作業が多いことに心配する人もいるのではないでしょうか。

 そうかもしれません。経験豊富な運転主任も、判断ミスをする可能性があり、ミスは事故に直結します。「ヒューマンエラーは必ず起こる」との前提に立ち、故障が起きた時にも確実に安全が確保されるという「フェイルセーフ」のコンピューターシステムを構築してきました。例えば、新型の高機能ATS(自動列車停止装置)は既に2009年、全線で導入しています。前方を走る列車に近づきすぎないよう、より細かいスピードチェックが可能になりました。

――手作業とコンピューターシステム、双方の良さを組み合わせているというわけですね。

 その通りです。信号操作にしてもダイヤ作成にしても、コンピューターシステムと手作業の割合は、各社の置かれた事情で異なるのは当然です。

 お客さまの財産を奪うことにつながる大事故が起きないよう、システム面のバックアップは確実に構築する。その中で人の持つ能力を最大限に活用する。それが当社の大方針なのです。(聞き手・読売新聞東京本社メディア局編集部次長 室靖治)

 

プロフィル
鈴木 聖史( すずき・まさふみ
 1973年、千葉県生まれ。98年入社後、新町乗務区運転士、金沢文庫運転区運転主任、品川駅助役などを経て、自身も京急蒲田駅高架化時のダイヤ作成に携わった。16年より現職。

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502442 0 深読み 2019/03/25 07:00:00 2019/03/27 10:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190320-OYT8I50020-T.jpg?type=thumbnail

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