「離脱」企業続出…Tポイントに何が起こったか

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企業離脱後の動きに見るCCCの課題

写真はイメージです
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 利用者にとっては、利用できるポイントサービスに選択肢がある方が便利ですし、どの店で買い物してもポイントが貯められるという状況が望ましいといえます。

 導入する企業側から見れば、マルチポイント化で複数のポイントサービスが利用できるようになれば、顧客に自社の商品を選んでもらう機会が増えることを期待できます。

 一方で、マルチポイント化や利用者の「使い分け」が進めば、一つの共通ポイントから得られるデータの総量は減り、その分、価値が下がる可能性があります。特定のポイントサービスに依存する形でデータ提供を受け、それに基づいて集客や商品開発を検討していた企業にとっては痛手となるでしょう。

 企業側がマルチポイント化を選んだ場合は、複数のポイントサービスのデータを活用する道が開ける可能性があり、顧客を理解するための判断材料が増えます。ポイントサービスの先駆けであるTポイントにとっては、独占状態を維持するのが難しい状況だと言えます。

雪崩を打って離脱は進む?

 二つ以上のグループを結びつけるための場をプラットフォームといい、TポイントやPontaなどのサービスは「プラットフォーム型のビジネスモデル」と呼ぶことができます。その結びつきの効果は、以下のように整理できます。

(1)相互ネットワーク効果

 ・一方のユーザーグループが増えれば増えるほど、もう一方のユーザーグループも増える

 例)使えるお店が多くて便利なポイントの会員になりたい(利用者)

   使う人の数が多いほど、そのポイントシステムは魅力的に映る(企業)

(2)リテンション(既存顧客との関係維持)効果

 ・いったん利用を始めると、消費者も企業も離脱しにくくなる

 例)日々の買い物でポイントが貯まっているからやめられない(利用者)

   ポイント利用者が離れては困るので、手数料を払っても続けたい(企業)

 CCCはこれまで、上記の効果などによってユーザーを獲得し続け、国内最大規模の共通ポイントプラットフォームを構築しました。しかし、最近、導入企業の離脱や離脱表明が目立つ背景には、(2)のリテンション効果の低下もうかがえます。さらには今後、(1)の相互ネットワーク効果が逆に働くおそれもあります。

 導入企業の離脱でTポイントを使えるお店が減れば、利用者にとっては当然、不便につながります。「より便利な別のポイントサービスを」と望む利用者が増えることも考えられます。ユーザーの減少は、導入企業にとっての魅力低下に直結し、離脱を検討する企業が増える――。まさに「負のスパイラル」に陥ってしまう可能性があります。CCCが、有効な対策を打てなければ、競争力の源泉とも言えるプラットフォームが弱まっていくかもしれないのです。

 

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502204 0 深読み 2019/03/23 07:00:00 2019/03/25 09:33:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190322-OYT8I50000-T.jpg?type=thumbnail

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