ベランダが危ない…侵入犯は2階を狙う

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防犯アナリスト 桜井礼子

 最近、建物の2階から侵入され、性犯罪や強盗などの被害に遭う事件が起きている。気温がだんだん高くなり、窓を開け放つ機会が増える。春から新生活を始め、住環境が変わった人は特に注意が必要だ。侵入犯に狙われやすい住宅の特徴と対策について、防犯アナリストの桜井礼子さんに解説してもらった。

部屋の中で襲われる

 暗い夜道を歩くときは誰でも注意しますが、安心して過ごせるはずの空間でも犯罪被害に遭うことがあります。警視庁の2017年の統計を見ると、この年に認知された「強制性交等」の事件は173件で、全体の48%が住宅(一戸建て、中高層など)で起きていました。月別でみると4月から増え始め、梅雨の時期に減った後に再び増え、8月がピークとなることから、開いた窓などから侵入され、被害に遭った人が少なくないとみられています。

 警視庁の「子ども・女性の安全対策に関する有識者研究会」の提言書(2017年)によると、性犯罪の傾向として、被害者が大学生以上の場合は、室内に侵入されて起きたケースが多い(面識のない人が犯人の場合、約49%)としています。

 性犯罪以外にも、侵入犯に脅されて金品を奪われた例もあります。最近は、オークションサイトなどで中古の服などが頻繁に取引されることもあり、現金や高価な貴金属だけでなく、かばんや服までも奪われるケースがあるそうです。

防犯対策の基本

 住宅の防犯対策、特に女性が一人暮らしをする際に気をつけるべきとされるのは、おおむね以下の点です。

 (1)出入り口の施錠は、一つのドアに二つ以上の鍵をつける。

 (2)集合住宅のエントランスは、オートロックであっても扉が開いた隙を狙って入り込むことが可能なため、過信しない。

 (3)エレベーターでは、知らない男性と2人きりにならないようにする。やむを得ない場合は操作盤の横に立つ。壁を背にし、背後に立たれないようする。

 (4)表札やポストの名前は女性が住んでいることがわからないように名字だけにする。

などです。

 しかし、これらの基本をしっかりと守っていても、被害を完全に防げるとは限りません。特に集合住宅の場合、ベランダからが盲点になりやすいのです。警視庁の2018年のデータでは、侵入窃盗犯の侵入口は、出入り口が約43%に対して、窓が約57%。ベランダからの侵入だけをみても全体の約25%を占めます。

ベランダから侵入する

 一戸建ての住宅でも、2階以上のベランダに面した掃き出し窓は、施錠を忘れがちです。夏に向けて気温が上がってくると、窓を開け放って網戸だけで過ごす人も多くなります。風を通す意味もあるでしょう。しかし、「2階だから」と安心していると、侵入犯は雨どいや、住宅周辺にある“踏み台”になるものを利用してよじ登ってくるのです。

 3階以上の高層階でも油断できません。屋上からロープを使って降り、ベランダから侵入する「下がり蜘蛛(くも)」と呼ばれる手口もあります。

 住宅街の高層階は、通行人などの目には死角になる可能性があり、侵入準備などの作業がしやすいというメリットが侵入者にあります。

 最近のベランダは、柵で囲われたものよりも、周囲を隙間なく覆ったものが多くなっています。室内を外からのぞけないようにする目的があるといわれます。しかし、こうしたベランダは、よじ登って内側に入ると、身を隠す場所にもなるので、侵入者からすれば好都合なのです。特に女性の場合、外からの目を気にして、こうしたベランダがある建物を選ぶ人も多いと思いますが、逆に危険性もあるのです。

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635175 0 深読み 2019/06/13 11:11:00 2019/06/20 16:24:27 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/05/20190523-OYT8I50007-T.jpg?type=thumbnail

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