「学校に行きたくない」子どもが打ち明けられぬ悩み

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

「友達0人」「突然シカト」…

 彼ら彼女らを絶望させた「いじめ」とは、どんなものだったのか。回答の一部を、プライバシーに触れない範囲で紹介したい。

写真はイメージ
写真はイメージ

・仲の良かった子から突然シカト(無視すること)された。

・小中(学校)でいじめにあって、高校では友達0人だった。

・以前、仲の良かった友達から仲間外れにされ、陰口を言われたり無視されたりした。自分は何がダメだったのか分からず、友達に聞こうと思っても怖くて聞けない。学校に行きたくないが、周りの大人に行くように促された。

・部活の先輩に毎日「死ね」などの暴言を吐かれ、他の子には優しく教えるけど私には教えてくれないということが毎日続いた。一緒に部活に入った友達も助けてくれず、他の友達や先輩と一緒になって私の悪口を言っていた。それなのに部活のとき以外は親友として接してきて誰も信じられなくなり、こんな毎日が続くなら死にたいと思った。

・体形のこととかで毎日言われて、「死ね」などの暴言が書かれたものを靴箱に置かれたりされ、苦痛だった

・過去に受けたいじめの思い出から逃れられず、押しつぶされそうになった

 いずれも過去の記憶ではあるが、つい最近まで「当事者」だった人たちだけに詳細で具体的な記述が多かった。中には、ようやく本心を明かせた人もいたようだ。

いじめによる自殺は「レアケース」か

児童生徒の自殺原因
児童生徒の自殺原因

 このように児童生徒の心に深刻なダメージを与える「いじめ」だが、公的統計で自殺の原因・動機とされる件数は決して多くない。

 警察庁の統計によると、昨年の小中高生の自殺者数は369人で、原因(自殺者1人につき三つまで計上)は学校問題が150件で最多だったが、その内訳は入試や進路に関する悩み、学業不振が大半を占め、いじめは2件(中学女子1人、高校男子1人)だった。

 文部科学省の2017年度の調査では、学校を通じて把握した児童生徒の自殺者250人が「置かれていた状況」326件(複数計上)のうち、「いじめ」は10件(小学生2件、中学生6件、高校生2件)だった。

 しかし、これらの数字だけを根拠に、「いじめによる児童生徒の自殺はあくまで例外的であり、レアケース」などと決め付けるのは早計に過ぎると思う。

 まず、警察庁の統計は、原因究明を目的としていない。警察官は「死因が自殺であると判断したときは(中略)速やかに(自殺統計の)原票を作成すること」とされており、その原票は「通常の検視、見分、捜査等の結果判明した事項の範囲内において作成すること」と定められている。つまり、いじめを苦にしたことが明白でなければ、統計に反映される可能性は低くなる。

 一方、文部科学省はかつて、1999年から2005年までの7年間の児童生徒のいじめ自殺を「ゼロ」としていた。しかし06年、当時の安倍首相に「実態を反映していないと思う」と指摘されるなどして再調査した結果、12件の自殺に関していじめを確認した経緯がある。

 最近の例を挙げるだけでも、岐阜市、北九州市、千葉県野田市、茨城県取手市、埼玉県所沢市など、各地で小中学生や高校生の自殺といじめとの関連が問題となり、第三者組織などが調査に乗り出す事態となった。いずれのケースでも、プライバシーの問題などから調査は時間をかけて慎重に行われている。こうした点も踏まえれば、いじめによる自殺の件数を把握するのは非常に難しく、少なくともリアルタイムでは数字に表れにくい可能性があると考えるべきではないか。

次ページへ…「誰にも言えない」

1

2

3

4

スクラップは会員限定です

使い方
「深読み」の最新記事一覧
771239 0 深読み 2019/08/31 07:00:00 2019/09/02 12:07:29 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190829-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)