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    芸能

    日本発「カワイイ」を超え、世界が認めたベビーメタル

    芸能ライター 田中 隆信

    「カワイイ」の枠を打ち破る

     お披露目された新曲は、「Road of Resistance」(ロード・オブ・レジスタンス)」。

     「抵抗」や「反逆」を意味するタイトルのとおり、「世界征服」を目指す彼女たちのテーマ曲としてふさわしい楽曲だ。ライブでは後半のパートを、会場にいる全員で大合唱するのが定番となった。

     そして今年、レジスタンスは第3章に突入。1月にさいたまスーパーアリーナで「BABYMETAL LEGEND “2015” ~新春キツネ祭り~」を開催し、5月からは2度目のワールドツアーに入った。

     メキシコ、カナダ、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、イタリア、オーストリア、日本、イギリスの10か国を回り、6月の千葉・幕張メッセでは過去最多の2万5000人の観客を動員した。イギリスでは、伝統ある音楽フェス「レディング&リーズ・フェスティバル 2015」のメインステージに最年少で出演。海外で揺るぎない人気を証明した。

     「世界征服」という夢が絵空事ではなく、現実のものとして見えてきた今、彼女たちが今後どこまで大きく成長し、進化していくのかが気になる。

     9月から10月にかけて行われた国内でのZeppツアーも全公演ソールドアウトの盛況ぶりだ。12月には横浜アリーナでの2日間公演、さらに来年4月にはビートルズ、ローリング・ストーンズ、ピンク・フロイド、U2など数多くのアーティストがライブを行ったイギリスのウェンブリー・アリーナで単独公演も控えている。

    だれも成し遂げられなかった領域へ

     今年9月、3人をインタビューする機会があった。

     2度のワールドツアーを経験した彼女たちから、「アウェイなところが好きになった」という頼もしい言葉が飛び出した。

     ワールドツアーは初めてのことばかりで戸惑いや不安も口にしていたが、この1年で一回りも二回りも大きく成長した様子に思わず目を細めてしまった。

     ライブの様子を語る3人はハツラツとしていて、世界を舞台に挑戦するという気負いを感じさせない。本当に楽しそうなのだ。

     国内でも海外でも、単独公演でもフェスでも、しっかりとライブを楽しむ姿こそ彼女たちのスゴさといえる。

     神バンドによる厚みのあるサウンド。それに負けない、ずば抜けた声量と高い歌唱力を誇るSU-METALのボーカル。YUIMETALとMOAMETALの全力のダンス、「おねだり大作戦」や「4の歌」で聴けるかわいい歌声が脇を固める。

     この3人だからこそベビーメタルは成り立っている。

     そして、特筆すべきは、彼女たちの日本語の歌が海外でも受け入れられているということだ。いままで、日本人のどのアーティストも成し遂げられなかった領域へ足を踏み入れた。

     彼女たちの活躍で、「メタル」というジャンルが再び活気を帯びている。

     世界の音楽シーンに与えた影響は大きく、もはや、「クールジャパン」や「カワイイ」という分類にとどまらない。「メタルで世界を一つにする」という目標の実現は、そう遠い先のことではないのかもしれない。

     彼女たちの今後の活躍、オトーサンやオカーサンも必見ですよ。

     

    プロフィル
    田中隆信( たなか・たかのぶ
     1969年、三重県出身。明治学院大学文学部卒。学習研究社の学年誌や音楽情報誌の編集を経て、2002年秋からフリーランスのライターとしての仕事をスタート。情報誌、音楽雑誌、ウェブサイトでインタビュー記事やライブレポートなどを執筆。不定期刊のムック「別冊カドカワ」にも編集として制作に関わっている。
    2015年11月02日 15時15分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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