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    経済

    スタバ、タリーズの次に来るもの~和風コーヒー店の逆襲

    経済評論家 平野和之
     星乃 珈琲 ( こーひー ) 店、ミヤマ珈琲、高倉町珈琲……。スターバックスやタリーズなど 小洒落 ( こじゃれ ) たコーヒーショップが市街地では相変わらず人気だが、都市郊外を中心に最近、異変が起きている。店名を「漢字」で名乗る珈琲店が急増し、連日盛況なのだ。豆の個性を大事にするコーヒーが「第3の波」などと注目を集める昨今、名古屋市発祥のコメダ珈琲が開拓したこの「珈琲化現象」。なぜ、昔ながらの珈琲店がにわかにもてはやされているのか。その実態に経済評論家の平野和之氏がメスを入れた。

     

    早起きシニアに好まれる「珈琲」

    • コメダといえばモーニング
      コメダといえばモーニング

     もうすっかりお馴染(なじ)みかもしれませんが、まずは、コメダ珈琲をおさらいしましょう。

     かつて、私も名古屋の女性とデートすると必ず連れて行かれた「ご当地喫茶店」。それが、首都圏に進出した2003年以降、出店の勢いは加速し、今では全国600店以上に拡大しています。

     コメダといえば、ドリンクを頼むとトーストとゆで卵がついてくるという、お得すぎる名古屋スタイルのモーニングが話題になりました。ブレンドコーヒーなら420円。太陽が昇る前に目を覚まし、散歩も済ませて行くあてもなくなったシニアが待っていましたとばかりにやってきます。中高年の早起き需要をがっちりつかんだわけです。

     間仕切りのある座席、自由に手にとれる新聞紙や雑誌、長居歓迎の雰囲気……。このゆっくりとくつろげる店内は、サラリーマンのサボタージュにも、お母さんたちが会話を楽しむのにも、一人読書に没頭するのにもうってつけです。

    「珈琲店」というビジネスモデル

    • コメダが開拓した「珈琲店」
      コメダが開拓した「珈琲店」

     でも、ビジネスの定説でいえば、コーヒー1杯で長時間くつろがれては、お店にとってはたまったもんじゃありません。

     ドトールやベローチェなどのカフェスタイルの店舗は、どうにも窮屈で決して居心地がいいとはいえません。400~500円の客単価で売り上げを伸ばそうとすれば、どうしても回転率を上げなければならなくなり、長時間居座ってもらっては困ってしまうという経営的な事情が垣間見えます。スターバックスやタリーズはその線引きに悩んでいるようです。

     これに対し、コメダは客の回転率を重視していないようです。むしろ、居心地がいいことでリピート率を増やし、連れ立ってくる同伴率を上げようとしています。そのため、デザートや軽食など80種類以上をそろえ、ブランチ、ランチ、ティータイムにも売り上げ拡大のチャンスを広げています。

     モーニング以外で名物になったのは、温かいデニッシュにソフトクリームを乗せた「シロノワール」。これを目当てにくる客もたくさんいます。つい先日、コメダが今年8月には札幌市内で初出店するというニュースも流れ、インターネットでは「シロノワールが津軽海峡を越える!」などと話題になったほどです。

     もはや、コメダといえばモーニング、だけではないということです。先日、友人の夫婦が子ども2人と家族4人で、休日のランチにコメダへ行ったそうです。ハンバーガーやピザなどを頼み、食後には名物シロノワールを全員でシェアしたというのです。これで、合計金額は軽く5000円を超えてしまうと言います。

     コーヒー1杯のつもりで立ち寄ったサラリーマンがサンドイッチもつまみ、子どもたちを学校へ送り出したお母さんたちがランチを囲み、ティータイムにはスイーツ目当ての若者も集まります。こうなると、客単価が1000円を超えるというケースも珍しくないわけです。

     客の回転率に依存しないという外食産業の常識を打ち破った「コメダモデル」は、既存店に衝撃を与えています。

    • あの「シロノワール」
      あの「シロノワール」


    2016年03月17日 07時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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