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    文化

    日星外交の「星」ってどこの国~意外と深い当て字の世界

    メディア局編集部 小坂剛
     ウェブサイトで「日星外交関係樹立50周年記念」の見出しを見つけて思った。はて、「星」ってどこの国だろう。ページを読んでみると、シンガポールだという。「米」「英」「仏」などの略称は定着しているが、あまり知られていない国名の略称はほかにもある。「尼」「愛」「埃」「瑞」「錫」……。国名の漢字表記はどうやって決まり、変遷してきたのだろうか。

    「尼」「愛」「埃」「瑞」「錫」「烏」…わかりますか?

    • 「星港」の文字のイメージにぴったりなシンガポールの夜景
      「星港」の文字のイメージにぴったりなシンガポールの夜景

     「大辞林」(三省堂)で「シンガポール」をひくと、「星港(「新嘉坡」ともかく)」とあった。在シンガポール日本大使館のウェブサイトを見てみると、邦人向けにシンガポールに転入・転出する際の手続きを説明したページには、「来星時<在留届の提出>」「本帰国、他国への転出時<離星届の提出>」とあり、公的機関で使っていることが確認できた。

     同じく公的な文書で使われている「尼」の字。女性の僧が多い国だろうか。答えはインドネシアだった。漢字表記は「印度尼西亜」で、インドと同じ「印」を避け、「尼」の略称が用いられている。防衛省の発表資料では、政務官がインドネシアを訪問し、国防副大臣らと「日尼防衛協力」などについて意見交換を実施したと記載されている。

     一文字の略称としては、アイルランドの「愛」、エジプトの「埃」、スイスの「瑞」、スリランカの「錫」、タイの「泰」、トルコの「土」、ハンガリーの「洪」がある。最近では、ウクライナを「宇」「烏」と表記するケースもあるという。

     多くは戦前から慣習として使われた漢字表記がもとになっている。『外務省記録総目録 戦前期』(原書房)の「主要(あて)字一覧」には、「アイルランド=愛蘭」「エジプト=埃及」「ギリシャ=希臘」「スイス=瑞西」「スーダン=蘇丹」「セイロン(現・スリランカ)=錫蘭」「タイ=泰国」「トルコ=土耳古」「ハンガリー=洪牙利」などの記載があった。

    2016年04月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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