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「巨象」は目覚めるか 中国を追うインドの挑戦

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 インドが強力な指導者の下で大きく変わっている。改革を主導するのは2014年に就任したナレンドラ・モディ首相だ。これまで誰も手を付けられなかった税制などの分野に切り込み、成果を収めている。経済面ではライバルである中国に大きく水をあけられていたインドだが、ようやく追撃態勢が整ったようだ。変貌をとげるインドの現状について、住友商事グローバルリサーチの石井順也さんに寄稿してもらった。

「税金テロ」に終止符

インドのナレンドラ・モディ首相(2014年9月、東京で)
インドのナレンドラ・モディ首相(2014年9月、東京で)

 「これでインドは税金テロから自由になれる」

 全国一律の物品・サービス税(GST)を導入する憲法改正案がインド下院を通過した8月8日、モディ首相はこう言って胸を張った。

 29ある州ごとに制度がばらばらな上、連邦政府と州政府が入り乱れて税を課すインドの税制は複雑を極める。モディ首相は企業活動の足を引っ張るこれまでの税制を「テロ」という言葉を使って強く非難してきた。

 日本企業にとっても、複雑な税制は頭痛の種だった。インドでは州をまたいで製品を輸送する際に中央売上税(CST)がかかる。いわゆる「州またぎ税」だ。例えば、首都ニューデリー近郊には自動車関連のメーカーが多く進出している。首都の東に位置するウッタル・プラデシュ州の工場から、首都の西にあるハリヤナ州の工場に自動車の部品を納入するには、州をまたぐ際に物品の価格に対して原則2%の税金を納める必要がある。

 域内の関税をほぼ撤廃した東南アジア諸国連合(ASEAN)では、国境を越えた生産ネットワークができているが、インドでは州を越えたネットワークを作ることすら難しい。インドは、インフラ整備の遅れに加え、税制がネックとなって、州ごとに分断された状況だった。このため企業は非効率なビジネスを強いられてきた。

 GSTの導入により、間接税の税率や課税の基準に全国一律のルールができたことで、インドはようやく「単一市場」を実現することになる。インドでは統一税制は積年の課題だった。GST成立は文字通り歴史的な偉業である。

 複雑な税制や、それに起因する税務訴訟のコストに長年苦しめられてきた日本企業の期待は大きい。「インドでビジネスを黒字化するのは大変だ。その大きな理由はコストの高さにあるが、GSTの導入はその問題を改善する大きな一歩になるのではないか」という声が日本企業のインド駐在の間からも出ている。GSTの導入で生産コストが下がり、企業活動が活発になると期待されており、GDP成長率の押し上げ効果は1~2%に上ると試算されている。

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430976 0 深読み 2016/09/23 05:20:00 2016/09/23 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20160921-OYT8I50046-T.jpg?type=thumbnail

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