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    国際

    ノーベル平和賞、コロンビア国民の葛藤

    国際協力機構(JICA)コロンビア支所長 室澤智史
     今年のノーベル平和賞は、南米コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領に授与されることになった。左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)との停戦を実現し、約半世紀続いた内戦の終結に向けた努力が評価されたものだ。コロンビアは地理的には遠いが、コーヒーや切り花、特にカーネーションは日本に輸出されており、実は身近なところにもコロンビア産品がある。戦闘がやんだ今の状況をコロンビアの人たちはどう見ているのか。独立行政法人・国際協力機構(JICA)コロンビア支所長の室澤智史さんに寄稿してもらった。

    2つに分かれた国民の反応

    • コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領。左翼ゲリラとの内戦終結に向けた努力が評価され、今年のノーベル平和賞受賞が決まった(11月2日、訪問先のロンドンで撮影)=ロイター
      コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領。左翼ゲリラとの内戦終結に向けた努力が評価され、今年のノーベル平和賞受賞が決まった(11月2日、訪問先のロンドンで撮影)=ロイター

     サントス大統領のノーベル平和賞受賞に対して、コロンビア国民の受け止め方は「ふさわしい」「ふさわしくない」の2つに分かれた。

     私の周囲でも「ガルシア・マルケスのノーベル文学賞(1982年)以来の快挙で、コロンビア人として誇らしい」「サントス大統領はいまだ和平を達成していないのに、なぜ?」「ノルウェーが和平交渉の仲介役だから、何か政治的な意図があるかも」など様々な声があった。

     ガルシア・マルケスは『百年の孤独』などで知られるコロンビアの作家。サントス大統領の和平に向けた努力は、中南米文学を世界的な地位に押し上げたガルシア・マルケスの業績に匹敵するとの声がある一方で、和平の行方に懐疑的な見方をする人もいまだに多い。

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    2016年11月04日 12時37分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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