キリンの容器の研究所が“地味にスゴイ!”

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 誰も気がつかないだろうけれど、キリン株式会社は11月下旬からビールや発泡酒などを、従来よりも軽量化した新型のアルミ缶で神戸工場から順次出荷を始めた。関西地域の方がキリンの「のどごし<生>」を飲む場合、新型缶の可能性が高い。この軽量化に取り組んだのは、キリンビール横浜工場にある「パッケージング技術研究所」という組織だ。コスト削減と二酸化炭素排出量の削減に力を発揮している「地味にスゴイ!」研究所だという。

わずかな軽量化が大きなコスト削減に

キリンビール横浜工場
キリンビール横浜工場
グラフ1
グラフ1

 キリンビール横浜工場は、横浜市鶴見区の京急線生麦駅のすぐそばにある。1926年(大正15年)に開業した工場で、今年90周年を迎えた。この工場ではかつてビールの瓶も自社生産していたが、56年(昭和31年)に瓶の生産をやめた。瓶の製造部隊の一部が、容器の研究開発に(くら)替えしたのが、同社の容器研究の嚆矢(こうし)であり、現在の「パッケージング技術研究所」の源流だという。

 この研究所は、容器や包装の軽量化を任務としている。例えば、アルミ缶を見てみよう。キリンがビールなどでアルミ缶を導入したのが73年で、このとき350ミリ・リットルの缶の重さは20.5グラムあった。それを85年に18.6グラムに軽量化し、2011年には14.6グラムに削減した(グラフ1)。

 そして今年11月、資材メーカーとの共同開発によって、さらに0.8グラム削減して13.8グラムにした新缶での出荷を一部始めた。同時に500ミリ・リットル缶は従来の18.1グラムから、1.3グラム削減して16.8グラムにした。今回のこの一見微々たる軽量化が、一体どんな効果を生むのだろうか?

 「軽量缶を当社が最大限に活用した場合、年間でアルミニウムの使用量が約3000トン削減され、コストは数億円削減されます。製造工程での二酸化炭素排出量は2万9600トン削減される計算です」(キリン広報)。1本当たりの軽量化は小さくとも、会社経営や社会に与える影響は絶大なのだ。

 だが、ここまで軽量化して大丈夫なのだろうか? 缶がペコペコになって破れやすくならないだろうか?

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