外国人の同僚とうまくやるコミュニケーション術

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 外国人を積極的に採用する企業が増えている。人手不足の解消や国際化への対応など、その理由は様々だが、「自分の職場に外国人がやって来た」という人も少なくないのでは。言葉や文化の異なる外国人の同僚と、どうすればうまく付き合っていけるだろうか。企業の人材活用に詳しいグローバル人材戦略研究所の小平達也所長が、コミュニケーションを中心にそのノウハウを伝授する。

外国籍社員との間に「見えない壁」

日本で働く外国籍社員は100万人を超えている(写真はイメージ)
日本で働く外国籍社員は100万人を超えている(写真はイメージ)

 コンビニエンスストアや居酒屋などの小売業・サービス業にとどまらず、製造業の現場や事務系職場、研究職場に至るまで、自分の職場に外国人がいるという人は珍しくないのではなかろうか。日本で働く外国籍社員は増加傾向にあり、厚生労働省の調査によると、昨年10月末時点で、その数は100万人を超えている。その一方で、言葉や文化などの違いにより、外国籍社員が日本人社員との間に「見えない壁」を感じたり、コミュニケーション上のトラブルが発生したりするケースも少なくない。

 【事例1】日本に留学し、後に日本企業に就職した韓国人のAさん(女性)。ある日、職場の日本人の同僚を食事会に誘ったところ、「私は大丈夫」との返事。それを聞いたAさんは、同僚が食事会に来るものと思ったのだが、実際には同僚は現れず、ショックを受けた。後日、Aさんが「どうして来なかったの?」と聞くと、同僚からは「『私は大丈夫』ってちゃんと言ったでしょ」と返ってきた。「ノー」の意味で「大丈夫」と言った日本人の同僚と、それを「イエス」と捉えたAさんとの関係は、以来、よそよそしいものとなってしまった。

 これは、「大丈夫」という文脈次第で「イエス」とも「ノー」とも取れる言葉の誤解についてのエピソードである。同様の言葉としては、「いいです」「結構です」などがある。

 【事例2】日本企業のニューヨーク支社に勤務した後、日本の本社に2年程度、「逆駐在」するプログラムで来日したアメリカ人のBさん(男性)。漢字の読み書きこそ得意とまではいかないものの、頑張って「です」「ます」「ございます」といった丁寧語を覚えるなど、日本語での日常会話は問題ない。ある日、日本人上司から調べものを頼まれた際、「特に急がないけど、できれば早めに頼む」と言われた。Bさんは文字通り「急がない」のだと理解し、別の仕事に取り組んでいたが、しばらくして上司から呼び出しを受け、「なぜ指示通り、すぐに調べないのか」と注意された。

 これは、それとなくほのめかした内容を相手側に理解してもらい、意味を()み取ってもらうというコミュニケーション、いわゆる婉曲(えんきょく)表現の事例である。「特に急がないけど、できれば早めに頼む」と言った日本人上司の真の意図はむしろ「早めに頼む」に置かれており、「特に急がないけれど」はいわば枕詞(まくらことば)のようなものに過ぎない。だが、「急がない」を額面通りに受け取ったBさんとの間に、認識の違いが生じてしまった。

 これらはともに、日本で働く外国籍社員が、周囲の日本人とコミュニケーションを図る際に直面した事例だ。

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