ビール会社にも「おいしい」…ノンアル激戦の裏側

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ビール会社にも「おいしい」ノンアル飲料

 「安価なノンアル(ノンアルコール)のビール風味飲料が売れたら、ビール類がますます売れなくなって、メーカーは困るのでは」と見る向きもあるだろう。しかし、ビール会社にはノンアルの生産に伴う「メリット」があるのだ。

例えば、ノンアルの製造にはビール類工場の生産設備を利用するため、装置産業として最も重要な工場の稼働率を引き上げることができる。ビール類の市場が縮小を続けているだけに、その効果は大きい。

 また、糖類やプリン体を減らす技術、香料の調合技術など、ビール類の商品開発で培った技術を転用することができる。さらには、新分野でのマーケティングの知見を得られるという利点もある。

 それだけに、どのメーカーにとっても魅力的な市場となるわけだが、各社の戦略には大きな違いが見られる。特に、「味」に対する思想が分かれているのだ。

「麦芽なし」で好調、首位キープ…アサヒ

 16年に、この分野で初めて首位に立ったアサヒは、今年1~3月の四半期で139万箱を売り上げ、前年同期を7%上回った。中でも、主力ブランドの「ドライゼロ」は132万箱を売り上げ、同5%増と好調を維持。夏に向けて、前年比約2割の増産を決めるなど、強気の構えを見せている。

 12年発売のドライゼロは、それまでの多くの類似商品と違い、ビールの原料である麦芽を使っていない。「麦汁発酵後のビールの成分を調合技術で再現している。これにより、甘味や雑味が残らないように設計している」(アサヒ)という。

調合技術は、缶チューハイや清涼飲料の製造工程で使われる最も重要な技術だ。さらに、氷点貯蔵することで「スッキリとした後味を実現させた」(同)のも大きな特徴だという。

 アサヒはビール、発泡酒、第三のビール、RTD(レディートゥドリンク=栓を開けてすぐに飲める缶チューハイなどの飲料のこと)、ワイン、ウイスキー、焼酎など、「すべてのジャンルでナンバーワンをとっていく」(平野伸一社長)方針を打ち出している。ノンアルコールビールの首位奪取は、その一環でもあるという。

 「17年の市場は、16年と同レベルか1%増程度と見込んでいる。ただ、新たな飲用シーンを提案し、拡大していく余地はあると考える」(アサヒ)。

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