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    経済

    ソニーが売却したVAIO、「V字回復」のワケ

    メディア局編集部・中根靖明

    既存技術を生かした新規事業

    ――EMS事業は、台湾や中国の企業が強い。VAIOならではの強みがあると考えたのですか。

    • 北アルプスの麓にある本社・安曇野工場(長野県安曇野市=VAIO提供)
      北アルプスの麓にある本社・安曇野工場(長野県安曇野市=VAIO提供)

     「安い製品を安く作ってくれ」という発注は受けないことにしました。VAIOは元々、ソニーのデジタル製品の生産を担ってきた歴史があります。安曇野では(電子マネーなどに採用されている非接触型ICカード技術)「FeliCa」(フェリカ)の関連製品や、犬型ロボット「AIBO」(アイボ)なども作っていたので、技術者も生産設備もレベルが高い。遊ばせておくのももったいないので、PCの技術者にもEMSにかかわってもらい、新規事業として立ち上げました。PC以外の機器も、設計から試作品作り、組み立てや物流、修理まですべての機能がそろっています。お客様から「こういうものを作りたい」と言われたら、設計の段階から請け負います。


    ――どういった企業から請け負っているのでしょう。

     講談社の「鉄腕アトム」型ロボット組み立てキットや、トヨタ自動車のコミュニケーションロボット「KIROBO mini」(キロボミニ)などですね。ロボットにはPC生産の技術が応用できます。また、「Moff Band」(モフバンド=スマホなどと連動させ、腕や足に巻いて動かすことで、疑似的に野球や楽器演奏などを楽しめるおもちゃ)も受託生産しています。


    ――いわゆる家電ではなく、「とがった製品」やコンセプトが明確な製品が多い印象です。メーカーと密に連携しながら作り込んでいくのですね。

     たとえば洗濯機のように広範囲で売るものではなく、特定市場向けの製品が多いです。


    ――現状でEMS事業の引き合いは多いのですか。

     多いです。たとえば、ベンチャー企業などからも発注が相次いでいます。ただ、リソース(経営資源)は限られているので、中身を見て判断します。Moff Bandもベンチャーの製品です。


    ――EMSは稼ぎ頭になりそうですか。

     まだまだ成長途上ですが、社員250人のうちかなりの人数をEMSに割いています。始めたのが1年あまり前ですが、2017年5月期の決算で(事業のもうけを示す)営業黒字を予想しており、PCに次ぐ「第二の柱」になりそうです。また、PCの技術者の手が空いたとき、EMSを手伝ってもらうといったように柔軟な体制をとっています。

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    2017年04月21日 11時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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