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「最低生活保障」支給で国民は幸せになるか?

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 新たな社会保障の仕組みとして、政府がすべての国民に対し、生活に最低限必要なお金を支給する「ベーシックインカム(最低生活保障)」という制度が世界的に注目を集めている。年金や医療など社会保障費の増大によって財政赤字が膨らむ日本でも、ベーシックインカムの導入は有効策となり得るのだろうか。三菱総合研究所主任研究員の奥村隆一氏が論じる。

フィンランドで試験導入開始

 北欧のフィンランドで今年1月から、「ベーシックインカム」の試験導入が始まった。国レベルでは世界で初めての試みである。失業者約2000人に月額560ユーロ(約6万6000円)を支給。失業手当とは異なり、仕事をして収入を得ても支給額は減額されない。

 ベーシックインカムとは、最低限の生活に必要なお金を、所得制限や年齢制限なしに国が支給する仕組みである。国民一人一人の属性によって給付額が異なるということがないため、運用手続きなどが簡便にできるうえ、お金を本当に必要としている人が給付対象から抜け落ちる恐れがない。

 過去、欧州諸国ではたびたびベーシックインカムの導入が検討されてきた。だがそれは、各国の社会保障のメカニズムがうまく機能していないことを意味する。そして、日本も例外ではない。

 わが国では、世論調査などで国民に政府への要望を問うと、必ずといっていいほど「社会保障」が上位に来る。内閣府の2016年度の「国民生活に関する世論調査」でも、「景気対策」や「雇用労働問題への対応」などを押しのけ、国民の3人に2人が「医療・年金等の社会保障の整備」を挙げている。

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