早期スポーツエリート教育は「悪」か

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 フィギュアスケート・羽生結弦4歳、卓球・福原愛3歳、競泳・萩野公介0歳――。トップアスリートの中には、ごく幼い頃に競技生活の第一歩を踏み出した人が少なくない。その一方で、低年齢のうちに特定の競技に専門的に取り組み、高度なトレーニングを行うことには弊害も指摘される。早期からのスポーツエリート教育は「悪」なのか。早稲田大学スポーツ科学学術院の広瀬統一教授が解説する。

幼少期からの育成強化の是非

4歳でスケートを始めた羽生選手
4歳でスケートを始めた羽生選手
3歳で卓球選手の道を歩み出した福原選手
3歳で卓球選手の道を歩み出した福原選手

 近年、にわかに子どもの競技活動の早期専門化、つまり、低年齢期から特定の競技選手を育成強化する「早期スポーツエリート教育」に関する議論が盛んになりつつあります。その背景として、日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が少なからず影響を与えていると思います。

 各自治体は独自のプロジェクトを実施し、2020年に向けて、そして、その後に続くオリンピックレガシー(五輪施設や効果の有効活用)に関する取り組みの一つとして、子どもの競技力向上を目的とした活動を広げています。

 例えば、東京都ではトップアスリート発掘・育成事業として、中学生を対象に将来的にボートやレスリングなど、いくつかの種目でトップアスリートになりうる子どもを選抜し、専門家によるトレーニング指導やスポーツ医科学教育を受けられるようにする、という取り組みをしています。

 一方、世界に目を向けると、子どもの競技やトレーニングがどのようにあるべきか、活発な議論が交わされています。国際オリンピック委員会(IOC)は2015年、子どもたちを含む若年アスリートがスポーツとどのように向き合うべきかについて提言し、その中で早期専門化によるスポーツ障害の発症や、「バーンアウト(燃え尽きてしまうこと)」のリスクについて警鐘を鳴らしました。

「早期」とは何歳か

 ところで、「競技活動の早期専門化」とか「早期スポーツエリート教育」などという場合の「早期」とは、具体的に何歳ぐらいを指すのでしょうか。研究報告がいくつかありますが、それらは主に、思春期前を「早期」と呼んでいます。世界保健機関(WHO)では思春期を10~19歳ごろとしています。

 また、アテネオリンピックに出場した選手の一部を対象にした研究では、競技種目を専門化した、そのスポーツ一筋に打ち込むようになった年齢としては、7~12歳が「早期」に近いとする考え方を示しています。これらを踏まえると、おおよそ10~12歳か、それ以前が「早期」と考えてよいでしょう。

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431294 0 深読み 2017/05/05 11:00:00 2017/05/05 11:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170503-OYT8I50000-T.jpg?type=thumbnail

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