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    生活

    大人気「うんこ」だらけの漢字ドリル誕生秘話

    文響社社長 山本周嗣

    ひねり出した例文は4000以上

    • 「うんこ」を使った例文はざっと4000以上に。修正を繰り返した
      「うんこ」を使った例文はざっと4000以上に。修正を繰り返した

     文響社として学習参考書を制作するのは、今回が初めての試みでした。

     おもしろいだけではなく、実際に使って役に立つという質の面にもこだわりました。そのため、漢字ドリルの制作実績のある編集プロダクションにもチームに加わってもらいました。

     例文をつくるときは、古屋さんとファミレスで何度も議論を重ねました。話題が話題ですから、声を抑えながら、ああでもない、こうでもない、と。

     なんとかひねり出したアイデアなのに、編集プロダクションの担当者から眉をひそめられることが何度もありました。

     「いじめにつながりかねない」

     「生命にかかわる内容は良くない」

     こうした指摘を受け、例文は何度も練り直しました。結局、4000以上の例文をつくり、そのうちの4分の1以上は使わずに捨てることになりました。

     一例をご紹介しましょう。

     うんこが首に巻きついて息ができない

     これは、死を連想させてしまい、決して、おもしろいとは言えません。一線を越えてしまっています。

     うんこにふうふうと息をふきかけます

     これだと、温かいモノを冷ましている様子が目に浮かび、おもしろさを保つことができています。

     おもしろいか、そうでないか、そのせめぎ合いでした。

    断念した「うんこ型」

    • 完成したドリルは当初、「うんこ型」だった
      完成したドリルは当初、「うんこ型」だった

     小学生の目線に立って、子どもたちが何を求めているのか、何をおもしろいと感じるか、それらを重視しました。もちろん、色や形についても、そこを第一に考えました。ランドセルに入る大きさ、イラストの配置、色やデザインなどを変えて30回以上、試作を行いました。

     そして、「これでいこう!」と思ってほぼ完成させたのは、今の長方形ではなく、ドリルそのものがうんこの形をしたものでした。

     「うんこなんだから、カクカクした角度なんてありえない」

     「もっと滑らかなカーブで3段にして」

     厳しく注文をつけて、まさにソレらしい満足いくモノができあがりました。

     ところが、書店側から「これでは店に置きづらい」とか、保護者の方から「この形ではしまいにくい」などの指摘がありました。

     それが、昨年の9月ごろのことです。そこから、またデザインを練り直し、形を見直しました。

     ようやく完成したうんこ型のドリルを捨てるのは勇気がいりました。

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    2017年05月23日 14時24分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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