カタール断交、日本人が知らない中東の事情とは?

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 中東で新たな対立が表面化している。カタールに対し、サウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトの4か国が6月5日に国交を断絶し、イエメン、モルディブなどがこれに続いた。一方で、カタールに手を差し伸べる国もあり、中東の国際関係は複雑になるばかりだ。これをどう読み解くか。住友商事グローバルリサーチ国際部シニアアナリストの広瀬真司さんに解説してもらった。

食料難はひとまず回避

カタールと断交中の主な国々(ベージュ色)。一方、トルコ(赤色)はカタールを支援する姿勢を見せている
カタールと断交中の主な国々(ベージュ色)。一方、トルコ(赤色)はカタールを支援する姿勢を見せている

 カタールはアラビア半島からさらに突き出た小さな半島国で、陸路でつながるのはサウジのみである。国境が閉鎖され、まず懸念されたのは食料である。

 カタールは食料品の90%を輸入に頼っている。そのうちの40%は陸路経由だ。食料難を恐れた国民は、スーパーマーケットなどに押し寄せ、買いだめに走った。空っぽの商品棚を映した映像がテレビで流れると、トルコとイランはすぐに食料支援を申し出た。

 断交の数日後にはトルコから新鮮な乳製品、イランからは野菜や果物が空輸された。インドからも船で食料が届き、モロッコ国王もカタールへの食料品の空輸を命じた。この結果、輸送コストはともかく、食料難の心配は当面なくなり、カタール国民はひとまず落ち着いた。

 断交は空の便にも影響を及ぼしている。サウジなどの4か国はカタールとの直行便の運航を全て停止し、カタール航空の飛行機が4か国の上空を飛ぶことを禁止した。

 それに伴い、カタール航空は飛行ルートの大幅な見直しを迫られた。飛行時間が延びれば、燃料コストの上昇は避けられない。カタールは国際民間航空機関(ICAO)に仲裁を求めている。

 サウジなどによる断交は、カタールを締め上げようとする経済封鎖の様相を見せている。

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