三菱ランエボ復活に見るゴーン会長の深謀遠慮

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 2016年に販売終了となった三菱自動車のスポーツセダン「ランサーエボリューション(ランエボ)」。1992年に登場して以来、数々のレースで鍛え上げられ、自動車ファンの支持を集めた4WDだ。益子修・最高経営責任者(CEO)は6月23日の定時総会で、次世代ランエボの開発を検討していることを明らかにした。モータージャーナリストの御堀直嗣氏が、ランエボ復活の意味を読み解く。

プラットフォームのない名車「ランエボ」

三菱自動車の会長就任が決まり、記者会見で三菱自動車の益子修会長兼社長(右)と握手する日産のカルロス・ゴーン社長(2016年10月20日、肩書きはいずれも当時)
三菱自動車の会長就任が決まり、記者会見で三菱自動車の益子修会長兼社長(右)と握手する日産のカルロス・ゴーン社長(2016年10月20日、肩書きはいずれも当時)

 今回の「ランエボ復活」のニュースに触れ、思い出すのが1990年代末、日産自動車の最高執行責任者に就任して間もないカルロス・ゴーン社長(当時)が打ち出した「日産リバイバルプラン」だ。この経営再建計画の中で、ゴーン氏は高性能車の「GT―R」と、2人乗りスポーツカーの「フェアレディZ」を存続し、日産車の旗頭にするとしていた。

 次世代の旗艦となる車を探っている三菱自の益子CEOに、ゴーン会長が自らの経験を基になんらかの指南をしたのではないかという想像も膨らむ。

 一方で、ランエボ復活の発表には唐突感も否めない。なぜなら、現在の三菱自は、電気自動車(EV)とスポーツ用多目的車(SUV)に特化した商品体系で基盤強化を図っており、かつて、ランサーエボリューションに進化した「ランサー」という乗用車はもはや存在しない。したがって、三菱自は次世代ランエボの土台となるプラットフォーム(車台)を持たない状況なのだ。

 それならば、提携関係となった日産には、ランエボに適したプラットフォームはあるのだろうか。スカイライン、フーガ、シーマ、ティアナ、シルフィ……、日産にある普通乗用車は車格が大きすぎたり、小さすぎたりし、かつてのランエボにふさわしい適当なサイズの乗用車はちょっと見当たらない。

次世代ランエボは「メガーヌ」が有力?

 日産と提携関係にある仏ルノーにも目を向けてみよう。

 「メガーヌ」という普通乗用車が、最終版となったランエボに近い車体寸法だ。ルノー社内のモータースポーツ部門「ルノー・スポール」が、その技術を駆使した高性能モデルも持っている。

 メガーヌは、日産とルノーが共同開発したCMF(コモン・モジュール・ファミリー)というプラットフォームを使用している。これが2019年ごろには三菱自でも使われる可能性がある。つまり、ランエボの次期プラットフォームとして有力視できるのだ。

 では、次世代ランエボは、どれほど高性能な姿で現れるのだろうか。

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