三菱ランエボ復活に見るゴーン会長の深謀遠慮

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三菱自が模索するEV

自動車ファンの支持を集め、惜しまれつつ販売を終了したランサーエボリューション
自動車ファンの支持を集め、惜しまれつつ販売を終了したランサーエボリューション

 自動車メーカー各社は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の商品体系の充実が求められている。

 2、3年後、従来型の高性能車に対する市場の要求がどこまであるかは見通せない。少なくとも、エンジン車やハイブリッド車での需要増はもはや見込めない。

 ここに、手掛かりとなりそうな材料がある。

 2005年に三菱自が発表した、「ランサーエボリューションMIEV」である。MIEVは、三菱自・インホイールモーター・エレクトリック・ビークルの頭文字をとった名称で、ランサーエボリューションの姿をした車体に、4輪それぞれに1個のモーターを取り付けたEVだった。

 当時、三菱自はEVの市場導入へ向けて様々な選択肢を模索していた。ランサーエボリューションMIEVの試作車は、筆者もテストコースで試乗した。カーブにバンク(傾斜)のついた外周路を走り、時速180キロで疾走した。

 現在市販されているEVの日産「リーフ」や、三菱「i‐MiEV」は、いずれも1個のモーターを使い、これで駆動輪となる前方、または後方の二つのタイヤを動かしている。

4WDのEVという利点

 これに対し、4輪それぞれに一つずつモーターを装備する利点とは何か。

 もちろん、エンジン車の4輪駆動車と同様に、舗装路のみならず未舗装路においても確かな駆動力を発揮し、走破性を高めることができる。そればかりか、4輪それぞれのモーター回転数を個別に変えることができる。たとえば、右側のタイヤは前進、左側のタイヤは後退の回転を与えると、その場で転回するような芸当も可能だ。

 1輪ごとのモーター回転数をそれぞれ制御することによって、カーブの走りをより滑らかに、かつ高速にすることもできる。エンジン車でも利用されている、左右の駆動力制御による「トルクベクタリング」という機能がこれに当たる。電気モーターであれば、より素早く、より緻密に制御することができ、エンジン車よりも高い性能を期待できる。

 トルクベクタリングは、たとえばホンダのスポーツカー「NSX」でも採用されており、驚くべきカーブ走行の速さを実現している。

 電気制御のみで走行するEVは、次世代の高性能車としてランエボが復活するには、うってつけの“武器”になる。

 10年以上も前に、三菱自はランサーエボリューションMIEVですでに、こうした検証を行った実績を残している。

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