志願者殺到の「人気大学」を選んでいいのか?

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 「近大マグロ」や「早慶近」の広告コピーなどで話題の近畿大が、志願者数を5年連続で増やし、4年連続で全国1位に輝いた。法政大も前年と比べ、志願者を1万人以上増やし、早稲田大や明治大を抑える躍進ぶりだ。志願者数は大学の人気を測る一つの尺度とされるが、その実態はどうなのだろうか。高校生の進路選択について指南する大学進学アドバイザーの倉部史記氏が解説する。

みんな気になる「志願者数」

私立大学志願者数(2017年、大学通信社発表)
順位大学志願者数(人)前年比(人)前年順位
近畿14万68962万6981
法政11万92061万7230
早稲田11万49836944
明治11万35075007
日本11万25838025
東洋10万11801万6294
立命館9万61261196
関西8万45861994
千葉工業7万4466‐2020
10中央7万4029‐124610

 この表は、2017年の私立大学一般入試・志願者数ランキングだ※1

 志願者数は大学に願書を提出した人の数を示しており、実際に受験した人数よりも通常は多い。近畿大はこれで4年連続1位。マグロの完全養殖や「ウナギ味のナマズ」などのユニークな研究成果、目を引く広報戦略、そして、この志願者数日本一のインパクトによって、ここ数年、世間の耳目を集め続けている。

 今回は法政大が志願者数で、明治大、早稲田大を抜いて、東日本で首位に立ったことも話題となった。

 1990年代初頭に200万人ほどだった18歳人口は減少の一途をたどり、現在およそ120万人に落ち込んでいる。2018年以降もこの傾向がさらに進むと見られており、各大学は現在、生き残りをかけて学生募集活動に取り組んでいる状況だ。

 高校生にニーズのある学部を新設する、キャンパスを都心に移すなど、毎年様々な施策が検討・実行されている。こうした結果が吉と出るか、あるいは凶と出るかを測る上で、志願者数の増減が重要なデータの一つとなっている。

「志願者数」は影響力が大きい

「マグロ」でおなじみになった近畿大。志願者はウナギ上りだ(画像はイメージ)
「マグロ」でおなじみになった近畿大。志願者はウナギ上りだ(画像はイメージ)

 志願者数を気にしているのは、大学の教職員だけではない。教育業界誌はもちろん、新聞各紙や週刊誌、ビジネス誌なども主要大学の志願状況をしばしば報じる。これは、「志願者が多い大学=世間的な評価が高い人気大学」というイメージがあるからだろう。

 「○○大学の志願者数が増えたのは教育改革の成果だ」というように、教育力と志願者増を結び付けて伝えるメディアも多い。

 志願者数は、大学にとって重要な経営指標であると同時に、社会に対して自校の存在感を示すPR材料でもある。受験する側にとっても、「多くの人が受験する人気大学なら教育内容も悪くないだろう」「ブランド力もあるはずだから卒業後も安心だろう」と、プラスにとらえる要素の一つになる。

 「教育力に自信があります」という曖昧な表現より、「志願者数○位」の方がイメージもしやすい。こうした広報効果を知っているからこそ、これまで大学側も志願者数を増やすことに力を注いできたのである。

 実に大きな影響力を持つ志願者数だが、その実態は意外と知られていない。この数字の本当の意味を解説したい。

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