「生きがいを見つけて」35歳末期乳がん患者の告白

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「仕事に生きる力をもらった」。

――その後、会社勤めを始めたそうですね。

これからの目標などを笑顔で話す安岡さん
これからの目標などを笑顔で話す安岡さん

 次男も保育園に通い始めたので、今年4月に企業に入りました。それからはシフト制とはいえ、「フルタイム」に近い勤務形態で、野田市内の会社に勤めています。病気のことは言わずに入社し、今では経理などの事務や軽作業をやっています。6月には会社側に自分の病気のことを打ち明けましたが、幸運なことに非常に理解のある会社で、そのまま雇い続けてくれました。普通の社員と同じように扱ってくれ、とても助かっています。

――これからもフルタイムのような形で働くのですか。

 実は、左の肺に水がたまっており、圧迫されて苦しくなることがあるのです。それを会社に話し、これから先は「時短勤務」にしてもらうことにしました。でも、仕事は続けていきたいです。人と会ってコミュニケーションを図ることが力になるんです。まず、仕事と巡り合わせてくれたクラウドソーシングがなかったら、今頃この世にいなかったかもしれません。本当にクラウドソーシングに命を救ってもらったといっても過言ではありません。仕事で生きる力を手に入れることができたような気がしています。

 一方、前述のとおり、働かないと治療費が払えないのも現実です。日々、注射をしたり、抗がん剤を飲んだりしないと、命をつなげません。実際には、体が苦しくても、働かないと家計は赤字。貯金を切り崩さざるを得なくなります。給料もほぼ治療費に消えますし、足りなくなる月もあります。確かに、仕事は生きがいでもあります。しかし、実際に体力はすでに限界を超えているのかもしれません。でも、日々の生活を守るため、持ち前の気力でなんとかしのいでいる。息切れした状態のまま、ずっとランニングを続けている状態ともいえます。

――今後の目標はありますか。

 ひとまず、3歳の次男が小学校に入学するまでは生きていたいです。ランドセルを背負う姿を見たいんです。実は、がんが見つかった当時、医師からは「3年でヤマを迎える」と言われていまして、もう2年たつのですが、あまり長期的目標は持たない方がいいんじゃないかなと思います。むしろ、目標をクリアするたびに、一つ一つ、次の目標を作っていく。無理せず、着実に歩みを進めていきたいと思います。

※8月25日追記 安岡さんは取材後の7月25日に体調が急変し、31日に緊急入院して検査したところ、新たに脳への転移が見つかった。自力で歩くことなどが困難になったが、8月24日に退院、今では少しだけ歩けるようになったという。在宅医療に切り替え、職場復帰に向けてリハビリなどを続けている。

 国立がん研究センターの統計では、2015年のがんによる死亡者のうち、女性では20代後半から60代前半までで乳房(乳がん)が最も多い。国の補助で検診を受けられたり、末期がんの患者で要介護認定されたりするのは死亡者数の多い40歳以上の人に限られる。しかし、厚生労働省は「若い人は進行も早い。早期発見だと様々な対策がとれるので、気になったら検診を受けてほしい」と呼びかけている。

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