あなたは大丈夫? 非常時の食を考える
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地震などの災害でライフラインが途絶した時、命をつなぐには食べ物を確保しなければならない。避難所に行けば救援物資も届くが、避難所の食事は栄養面で偏りがあり、避難生活が長期に及んだ場合は工夫が必要だ。また、自宅で避難生活を送る場合は物資がなかなか届かないことも覚悟しなければならない。防災では、今後ますます「自助」が重要になる。普段からどんな備えが必要なのか。防災の日に考えてみたい。
身にしみた「寒さと空腹」

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宮城県在住で、2011年の東日本大震災の後に「おいしいグルメ非常食」というサイトを始めた女性(37)は、自らの体験をこう振り返った。
震災当時、彼女は自宅アパートにいた。内陸部に住んでいたので津波の被害は免れたものの、部屋の中は家具や食器が散乱し、とても住める状態ではなくなった。このため、1歳の子どもを連れて同県内の実家に避難した。電気は通っておらず、冷蔵庫にあった食べ物を賞味期限が迫ったものから食べていくしかなかった。
家屋があまり倒壊していない地域だったため、救援の網の目から漏れてしまい、食べ物の確保には苦労した。こうした体験を通して、非常食を普段と同じような味付けにアレンジすることや、少ない器具で調理する方法を身につけることの大切さに目覚め、サイトを開設したのだという。
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