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    経済

    鳥貴族「298円」値上げの衝撃!

    マーケティング戦略コンサルタント 青山烈士

    鳥貴族の値上げは「苦渋の決断」

    • 鳥貴族の大倉忠司社長。経営手腕には定評がある(2015年撮影、東京都杉並区で)
      鳥貴族の大倉忠司社長。経営手腕には定評がある(2015年撮影、東京都杉並区で)

     厳しい状況の中で、東証一部上場企業の鳥貴族としては、企業体力を維持しつつ今後も成長を続けるうえで、即時の判断が必要でした。選択肢としては、大きく二つあったと思われます。一つは「価格を維持して、品質を落とす」(例えば、商品の量を減らす、国産品以外を使う、など)、もう一つは「価格を上げて、品質を維持する」というものです。

     筆者は、二つの選択肢がある中で、結果として後者を選んだ鳥貴族の判断は苦渋の決断だったと考えます。

     そもそも鳥貴族は「低価格で『高価値』なサービスを提供する」ことを前面に押し出し、長年にわたりお客の支持を勝ち得てきたのです。その「価値」をひたすら磨き続けてきたことが、評価につながっているといえます。それらの取り組みの代表的な一例が、フードメニューの「全品国産化」です。

     もし値下げして品質を落とすことを選んだ場合、顧客に驚きや感動を与えるという、現在の鳥貴族の「価値」を評価している顧客の期待を大きく裏切ることになり、「客離れ」を引き起こしかねないでしょう。

     一方、サービスや品質を維持していれば、価格は280円から18円値上がりしても、300円を下回り、「業界屈指の低価格」は維持できているといえますし、品質の面でも、鳥貴族のファンをつなぎとめる可能性は高いと思います。

     鳥貴族は「原材料価格が下がっても、再び値下げすることは現時点では検討していない」(広報)そうですが、今後の商品価値とサービスの向上への取り組みには期待したいところです。

    課題は各社共通

     原材料費と人件費という二つのコスト上昇への対応は、外食各社にとって共通の課題です。外食大手のすかいらーくも10月からサラダなどの一部メニューの値上げを計画しています。今後は、鳥貴族やすかいらーくといった大手企業が値上げした結果、どのような影響が出るのかを見極めたうえ、追随を検討する外食企業が増えていくと予想されます。

     ただ、あくまでお金を払う価値があるかどうかを判断するのはお客です。価格を上げただけで、価値と見合っていなければ、「客離れ」が起きるでしょう。今後、鳥貴族以外の外食各社も難しい選択を迫られそうです。

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    プロフィル
    青山 烈士( あおやま・れっし
     マーケティング戦略コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。1980年、東京都生まれ。グロービス経営大学院大学MBA(経営学修士)。コンビニチェーン、外資系保険会社、NTTグループ企業を経て、マーケティング会社に在籍中。人気メルマガ「 MBAが教える企業分析 」の発行者としても活躍している。。

    2017年09月08日 07時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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