戦後レジームの曲がり角、ドイツ連邦議会選の衝撃

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 メルケル首相の下で政治的安定を誇ってきたドイツが大きな転機を迎えている。9月24日に投開票が行われた連邦議会(下院、総議席数709)選挙で、連立与党が大きく議席を減らし、寛容な移民政策に反対する右派政党が躍進した。ドイツはどこに向かうのか。在独ジャーナリストの熊谷徹さんに寄稿してもらった。

ドイツ政界を襲った「破局」

 ある保守派の政治家は、連邦議会選の開票結果を見て「Katastrophe(破局だ)」と言った。連立政権を担ってきたキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)が大幅に議席を減らし、右派「ドイツのための選択肢」(AfD)が初の議席を獲得したばかりか、第3党に躍り出たからだ。

 AfDには、ネオナチに近い過激思想を持つ者も多い。その党が一挙に94人の議員を中央政界に送り込む。この国の戦後政治では未曾有の事態だ。

 メルケル首相が4期目を務めることは確実だが、連立交渉は難航する。欧州連合(EU)離脱を決めた英国や、トランプ氏を大統領に押し上げた米国で広がったポピュリズムの波が、ドイツにも押し寄せたのだ。この国では、戦後積み上げてきた民主主義の力が問われている。

最低の得票率に沈んだ与党

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 メルケル首相の率いるCDU・CSUの得票率は、わずか33%。旧西ドイツで初めて連邦議会選が行われた1949年以来、最低の得票率だ。前回(2013年)の選挙に比べて得票率を8.6ポイントも減らしたことになる。

 メルケル氏は、大きな危機に直面してもポーカーフェースを保つことで有名だ。その彼女が、選挙直後にベルリンのCDU党本部で支持者の前に姿を現した時には、笑みを絶やさないよう必死に努力していたものの、時折見せる厳しい表情の中に疲労は隠すことができなかった。メルケル氏は選挙期間中、「私の人生の中で最も困難な選挙」と語っていたが、その危惧が現実となった。

 連立のパートナーであるSPDの得票率も、前回に比べて約5ポイント減り、20.5%となった。同党にとってもこれまでで最低の得票率だ。「敗軍の将」となったマルティン・シュルツ党首は、CDU・CSUとの大連立には加わらず、野党第1党として下野することを明らかにした。

 今年3月にシュルツ氏が党首に就任した時、SPDの支持率は一時30%まで回復したが、同党は3つの州の地方議会選挙で相次いで敗北。支持率は10ポイントも急降下し、「シュルツ効果」は線香花火のように消えた。

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428497 0 深読み 2017/09/28 05:20:00 2019/02/06 17:00:03

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