アマゾン電子書籍「最優遇契約」見直しの影響は?

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 公正取引委員会が8月、アマゾンの電子書籍ストア「Kindle(キンドル)ストア」と契約する出版社などに義務付けてきた「同等性条件」を、アマゾンが自主的に見直したと明らかにした。アマゾンの見直しによって、今後、電子出版市場での健全なサービス競争が促進されると期待される。そもそも同等性条件とは何だったのか?また、今後の出版業界にどのような影響を与えるのか。電子書籍業界に詳しい鷹野凌さんに解説してもらった。

アマゾンが義務付けてきた「同等性条件」とは?

アマゾンが電子書籍の販売方法を世界的に見直す(写真はイメージ)
アマゾンが電子書籍の販売方法を世界的に見直す(写真はイメージ)

 キンドルストアは、国内外の電子出版市場でトップシェアを握る「電子書店」です。

 調査機関・インプレス総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2016」の利用者調査によると、有料の電子書籍を読んでいる人のうち、「キンドルストア」を使っているのは30.9%と、他を10ポイント以上引き離し圧倒的なトップとなっています。(スマートフォン調査・複数回答のため市場占有率〈シェア〉とは異なる)。

 一方の公取委は、独占禁止法などを運用するために設置された内閣府の外局です。独禁法の目的は公正かつ自由な競争を促し、事業者(企業)が自主的な判断で自由に活動できるようにすることです。

 企業が独禁法などに違反していないかの審査や立ち入り検査をする権限のほか、違反行為を止めさせるための「排除措置命令」、課徴金を科すなどの処分権限を持っています。アマゾンには昨年、独占禁止法違反の疑いにより公正取引委員会の立ち入り検査が行われ、今回の発表に先立つ6月1日に「アマゾンの審査終了」という発表がありました。

 ただし、この時対象になっていたのは、個人や企業がアマゾンを介してモノを販売できる「マーケットプレイス」で、電子書籍は対象外でした。マーケットプレイスでも電子書籍でも同等性条件が問題になりました。今回の電子書籍の取引条件見直しはあくまでアマゾンの自主的な動きでしたが、改めて公取委から発表されたのです。

 アマゾンがこれまで「キンドルストア」で出版社などに義務付けてきた同等性条件には、(1)小売価格 (2)卸売価格 (3)セール時の価格や特典 (4)品(ぞろ)え (5)ビジネスモデル(定額配信やレンタルなど)(6)機能(操作性など)――があります。

 これらの項目を、出版社などがアマゾン以外の電子書店と取引をするときや、出版社が自ら電子書店を運営する場合に、「(最低でも)アマゾンと同じ条件」にするよう義務付けることが同等性条件です。欧米ではこのような同等性条件のことを「MFN(最恵国待遇)条項」と呼んでいます。

 例えば、小売価格の同等性条件は、仮にアマゾン以外の電子書店での販売価格の最安値が500円だとしたら、アマゾンも500円で販売できるよう出版社側などに義務付けるものです。

 卸売価格の同等性条件とは、出版社がアマゾン以外の電子書店へ卸す価格の最安値が500円だとしたら、アマゾンにも500円で卸すことを求めます。実は、アマゾンと出版社との契約によって、小売価格を拘束する場合、卸売価格を拘束する場合もあったようです。

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