「園児の声うるさい」…保育園は“迷惑施設”か

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よい垣根はよい隣人を作る

写真はイメージです
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 核家族化が進み、今や夫婦2人の世帯や単身世帯も急増している。身近で子どもたちと触れ合う機会は大幅に減った。個人の権利意識が高まる一方、地域コミュニティーの連帯意識は希薄化し、互いに譲り合う社会の実現は難しくなっている。

 子どもたちが発する声や音が迷惑なものとされ、各地で保育施設が受け入れを拒まれる。その大きな要因の一つは、「保育施設は働く親と子どもだけが利用する施設」との認識ではないかと私は考えている。それを打ち消すためには、保育施設と地域との間の関係性、いわば「絆」を強くすることが大切だ。

 東京都八王子市の「八王子ふたば保育園」では、園内で開催するコンサートや夕涼み会などを、ポスターや手紙で地域の人たちに告知して来園してもらい、交流を図っている。ほかにも、カフェやサンドイッチなどを販売するスタンドを園に併設して地域との交流の場を設けたり、高齢者から昔遊びを教えてもらう交流をしている保育園もある。このような方法で保育施設が地域のコミュニティーの場や世代を超えた集いの場になれば、「子どもは地域の宝であるから、地域ぐるみで育てる」という認識が周辺住民にも生まれ、理解を得やすくなるのではないだろうか。

 「Good fences make good neighbors」(よい垣根はよい隣人をつくる)。これは米国の詩人、ロバート・フロストの詩の一節だ。多くの保育施設で今、地域住民とのトラブルを避けるために壁を設けようとしている。しかしその結果、保育施設が閉ざされた場になり、ますます地域から遠い存在になってしまうという問題もあるのだ。確かに垣根は必要だろう。だが、その上で、地域住民とのふれあいの場や機会を提供し、地域に溶け込む努力をすることも大切ではないだろうか。住みよい地域、子育てしやすい地域を(つく)るのは「お互いさま」の精神なのだから。

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プロフィル
白土 健(しらど・たけし)
 大正大学人間学部教授。1959年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒、多摩大学大学院経営情報学研究科修了。育英短期大学、松蔭女子大学教授などを経て現職。著書に「なぜ、遊園地は子どもたちを魅きつけるのか?」(創成社、共著)、「こども文化・ビジネスを学ぶ」「観光を学ぶ」(ともに八千代出版、共著)ほか多数。

『こども文化・ビジネスを学ぶ』(八千代出版)
『こども文化・ビジネスを学ぶ』(八千代出版)

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