観光公害の“加害者”にならずに旅行はできるか?

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 一部の観光地で、訪問客の増加により住民の生活に支障が出始めている。道路の渋滞や交通機関の混雑、マナーの悪さなどが摩擦を生み、「観光公害」という言葉で注目されるようになった。問題が深刻になる前に打つべき対策はあるのだろうか。観光地の現状に詳しい井門隆夫氏に解説してもらった。

「もう来ないで!」

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 秋が深まり、京都や鎌倉といった紅葉の名所は、見頃とともにすさまじい混雑の季節を迎える。

 とりわけ、外国人観光客に加え日本人観光客も増える週末ともなると、鉄道やバスなどの公共交通機関は乗り切れず、狭い道は渋滞がひどく、一向に前へ進まないという事態も珍しくない。コンビニエンスストアにはトイレ待ちの大行列ができ、我慢できない観光客が小さな商店にもトイレを貸してほしいと殺到するという。

 「インスタ映え」や「ツイッター映え」を狙った写真を撮りたいがために、住宅地に入り込み、生活風景や住民の日常を勝手にカメラで収めようとする旅行者もいる。

 民泊の普及に伴い、旅行者がマンションやアパートで夜遅くまで騒いだり、ルールを守らずゴミを不法に投棄したりするケースも目立ち、頭を抱える周辺住民もいる。

 もちろん、観光は地域にとって重要な収入源であり、地域活性化の一助となるが、一線を超えると、生活環境が脅かされる懸念が生じる。

 観光客の迷惑行為は、次第に地域住民の不満となる。「歓迎できない」「もう来ないで」「早く帰って」……。こうした反発の声がクローズアップされ、最近は「観光公害」とも呼ばれている。

 もっとも、こうした観光の負の側面は以前から存在した。

 大型連休になると生活道路が観光客の車やバスで渋滞することなどは、観光地では珍しくない。迷惑をこうむる住民にしてみれば、「観光で得をするのは一部の事業者だけ」と批判も噴出する。

 かつて、世界遺産登録を目指した鎌倉では、観光客の増加で生活環境が脅かされると反対運動まで起きた。

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