米大統領選 見えてきた「ロシアSNS悪用」の実態

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 ロシアが、フェイスブックやツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を悪用し、2016年の米大統領選挙に影響力を行使しようとした実態が明らかになってきた。国民の批判の高まりを受け、議会ではネット広告に規制の網をかぶせる法案が提出されるなど、米国でネットと政治の関係を見つめ直す動きが強まっている。読売新聞調査研究本部の大内佐紀・主任研究員が現状をまとめた。

1億2600万人が見た「なりすまし投稿」

トランプ氏とクリントン氏が激突した昨年の米大統領選(オハイオ州で、2016年11月6日、栗原怜里撮影)
トランプ氏とクリントン氏が激突した昨年の米大統領選(オハイオ州で、2016年11月6日、栗原怜里撮影)

 10月31日と11月1日、米上院司法委員会と情報委員会で、2016年の米大統領選でのSNSの影響を精査する公聴会が開かれた。証人として出席したのはフェイスブック(FB)、ツイッター、グーグルという、今や米国を代表する情報技術(IT)企業3社の法律顧問。公聴会では、プーチン露大統領に近いロシア企業「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)社」に雇われたロシア人などが米国民になりすまし、3社のSNSに政治に関する投稿や広告をどの程度の規模で出していたかが大きな焦点となった。

 公聴会でFBは、15年1月から17年8月の間、IRA社が米国人を装い、FB上で約8万件、インスタグラム上で約12万件の政治的な投稿を行い、それらがシェアされ拡散されていった結果、実に計1億2600万人が閲覧した可能性があると発表した。

 投稿のテーマは、移民問題や銃を持つ権利、同性愛など、かねて米社会を分断してきた内容が目立った。中には、反イスラム派とイスラム教徒の双方に対し、テキサス州内で開かれた政治集会に参加するよう誘導するような別々の投稿もあった。集会で、見解を異にする人々が小競り合いを起こし、分断がさらに広がるようにする狙いだったとみられている。

 ツイッターは、IRA社がらみのアカウント2752件を突き止め、閉鎖したと明らかにした。選挙戦が終盤に入った昨年9月から11月の間だけでも、選挙にからむツイートが約140万件あったという。

 閉鎖されたIRA社のアカウントを米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が独自に精査したところ、米国の有力者がフォロワーになっていたケースも確認された。例えば、IRA社が「テキサス生まれの神を信じる保守派」になりすましたアカウントには約7万人のフォロワーがいたが、この中には大統領に当選したトランプ氏の側近で一時期、安全保障問題担当大統領補佐官に抜てきされたマイケル・フリン氏やFOXニュースの花形キャスターの名前があった。

 グーグルによると、IRA社は動画配信サイト「ユーチューブ」に1108件の動画を投稿し、計30万9000回再生されていた。

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