こんなにいる!「ノーベル賞級」の日本人

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ノーベル賞を補完する「クラフォード賞」

岸本忠三・元大阪大学総長
岸本忠三・元大阪大学総長

 前述のようにノーベル賞の自然科学系が3部門しかないことから、分野の違う科学者はノーベル賞と縁がない。このためお膝元であるスウェーデンには、ノーベル賞を補完する意味合いの賞がある。1982年から毎年、受賞者を選んでいる「クラフォード賞」だ。

 賞の選考は、ノーベル物理学賞と化学賞を選ぶスウェーデン王立科学アカデミーが責任を負い、「天文学・数学」「地球科学」「生物科学」(環境、進化など)の3分野から順番に受賞者を選出している。ほかに、賞の財源を出資してくれた資産家が関節炎に苦しんでいたことから、関節炎の研究で画期的な進歩があった場合には賞の対象になる。

 日本人では2009年に、元大阪大学総長の岸本忠三博士、平野俊夫博士がともに関節リウマチの新たな治療薬開発の業績で、15年には国立遺伝学研究所の太田朋子博士が進化生物学の新しい理論の提唱で受賞している。17年には坂口志文(しもん)・大阪大学特任教授が特殊な免疫細胞「制御性T細胞」を発見した業績で受賞に輝いた。

坂口志文・大阪大学特任教授
坂口志文・大阪大学特任教授

 一方、同じスウェーデンで「森のノーべル賞」と呼ばれる「マルクス・バーレンベリ賞」を15年に受賞したのは、磯貝明・東京大学農学部教授ら師弟3人だ。セルロースナノファイバーという木質の特殊繊維を開発した業績が評価されての受賞だった。

 森林科学や木材科学の基礎研究を対象にした同賞は、民間財団の賞であるものの、賞金が3000万円にのぼり、式典にはスウェーデン国王が出席するなど、「もてなし」ぶりからしてノーベル賞に引けを取らない。ノーベル賞がカバーしきれない学問分野の優れた研究成果に光を当て、ノーベル賞を補完していると言っても過言ではあるまい。

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