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    自動車

    自動運転で出遅れ?日本が海外と渡り合うには

    専修大学教授 中村吉明
     日本企業が海外勢に「後れを取っている」といわれる自動運転の技術開発。最近は規制緩和が進み、公道での実証実験も可能になった。世界中の自動車メーカーやIT企業、電機メーカーなどが自動運転向けの人工知能(AI)や関連機器などの開発でしのぎを削る中、日本の企業は勝ち抜くことができるのだろうか。専修大学教授の中村吉明氏に、日本企業の弱点と政府の抱える課題などを解説してもらった。

    始まった「レベル4」の実験

    • 2017年12月に国内で行われた初の「無人」自動運転の実証実験(愛知県幸田町で)
      2017年12月に国内で行われた初の「無人」自動運転の実証実験(愛知県幸田町で)

     日本が「遅れている」と言われていた公道を使った自動運転の実証実験が、最近にわかに行われ始めた。日本でも規制緩和が進み、遠隔監視をしていれば、運転席に人を乗せずに公道で自動運転の実証実験を行うことが可能となったのだ。

     自動運転には国際的な定義があり、レベルが5段階に分かれている。レベル1が「運転支援」、レベル2が「部分的自動運転」、レベル3が「条件付き自動運転」、レベル4が「高度自動運転」。そして最高位のレベル5は全く運転手を必要としない「完全自動運転」という区分けだ。

     今、日本で始まろうとしているのは主にレベル4の実証実験だ。「高度自動運転」とは「原則、運転手を必要としない自動運転」を指す。レベル5とは異なり、交通量や周囲の環境などによっては、運転手が必要になる場合もある。

    日本企業の競争力は?

     高速道路でよく用いられる「クルーズ・コントロール」はレベル1の運転支援にあたる。アクセルを踏み続けることなく、スイッチを入れると一定の速度を維持できる機能のことであり、これがプリミティブ(原始的)な自動運転の始まりと言えよう。

     2008年には、富士重工業(現・スバル)からカメラで障害物を認識し、危険を回避する「アイサイト」という衝突被害軽減ブレーキを搭載した乗用車が売り出された。これもレベル1の運転支援に相当するものだ。実は、世界の自動運転技術の開発に先鞭(せんべん)をつけたのは富士重だったといってもいいだろう。最近では、それと同様の機能がトヨタ、ホンダなど、他のメーカーの乗用車にも広く採用されている。

     しかし今、この分野の主導権を握っているのは欧米メーカーだ。15年にお目見えした米テスラの「モデルS」は搭載されているオートパイロットをレベル2に「進化」させ、「自動運転時代の到来」と脚光を浴びた。ただ、オートパイロットを「完全自動運転」と思い込んだドライバーが、16年に機能作動中の事故で死亡し、一時、「自動運転は本当に安全なのか」という疑問が世間にわき起こったのは印象的だった。

     それでも18年に独アウディが高級セダン「A8」に、レベル3の自動運転機能を搭載する予定という。具体的には、中央分離帯のある自動車専用道路の同一車線を時速60キロ以下で走る際に、車に運転を委ねることができるというものだ。

     ドイツでは、A8が合法化されるように法律を改正。自動運転中に事故が起こった場合はアウディが責任を負うとしており、アウディも企業として相当なリスクを取るのだ。

     一方、日本ではどうか。16年に日産自動車が、高速道路の同一車線上で自動運転が可能な「プロパイロット」(レベル2に相当)を搭載したミニバン「セレナ」とスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」を発売している。

     このように徐々にではあるが、日本企業の自動運転技術は、進化し続けている。だが、これからの道は険しく、さらにレベルを上げるには何万キロという実証実験が必要となるだろう。そして、現時点では海外と日本では、技術開発のスピード感に差があるように感じる。

    2018年02月01日 07時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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