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    自動車

    東京からガソリン車が消える日

    モータージャーナリスト 御堀直嗣
     東京都は1月、2040年代までに都内のガソリン車販売ゼロを目指し、集合住宅での電気自動車(EV)用充電設備設置の無償化など、次世代車普及のための環境整備を進めると発表した。イギリスやフランスは昨年、ガソリン車などの販売を40年までに終える方針を打ち出した。中国も電気自動車などを一定の割合で生産するように義務づけた。なぜ、東京都がこのタイミングで“脱ガソリン”を打ち出したのか。モータージャーナリストの御堀直嗣氏に解説してもらった。

    EV9割は戸建て住民

     2040年代までに都内でのガソリン車販売ゼロを目指すとした東京都の方針は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の販売を大きく伸ばす可能性がある。

     都は、新年度予算案に約13億円の関連予算を計上し、国内での取り組みをリードしたい考えだ。都によると、充電設備設置の無償化は全国初。マンションなど集合住宅への充電設備の設置費用をゼロとし、同時にマンション管理組合での合議を円滑にするため、マンション管理士らを管理組合に派遣する仕組みなども盛り込む。

     EVは、国内で09年に三菱自動車が「i-MiEV」、10年に日産自動車が「リーフ」を発売してきた。これまで、EVの購入者は9割以上が戸建て住宅の消費者に偏っていた。

     都内には、集合住宅が約13万棟あり、都民の6割が居住している。国は充電設備の購入・設置費用を補助する制度を12年度に設けたが、制度を使って整備されたのは17年3月現在、都内で16か所(30基)にとどまる。住民側の費用負担や、区分所有者の4分の3の同意も必要なことが障壁となっている。

     東京都が打ち出した今回の方針は、EV普及にとって画期的なできごとである。

     民間企業においては、日産が17年8月、日本電気(NEC)やマンション管理の大京アステージとともに、分譲済みマンションに充電設備を設置する実証事業を行うことで合意している。この実証事業は、マンション駐車場で充電設備の設置費用を実質ゼロにし、マンション管理組合の負担をなくすだけでなく、管理規約の改定や理事会・総会の調整を支援する。

     東京都の“脱ガソリン”の方針は、ほぼこれを踏襲するかたちとなっている。

    2018年02月04日 02時04分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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