火葬まで1週間!…現代の葬儀事情

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各地で「遺体安置施設」のニーズ

写真はイメージです
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 「火葬待ち」が長くなりがちな都市部以外にも、遺体安置施設のニーズは広がっている。背景にはマンションなどの共同住宅に住む世帯が増えるなど、昨今の住宅事情があるようだ。

 政府の社会・人口統計体系によると、マンションなど「共同住宅」に住む世帯の比率は、2003年の40%から、13年には42.4%まで上昇している。都道府県別でも、比率が低下しているのは山形など5県のみだ。

 マンションなどでは遺体を運び込んだり、送り出したりする際、エレベーターなどの使用を巡ってほかの住人に気を使わなくてはいけない。大勢の人が住むタワーマンションなどでは、管理規約で遺体の搬入を制限されているケースもある。

 千葉県成田市の葬祭会社「成南協心社」によると、同市内では火葬や式場利用までの待機が長引くことはほぼないという。しかし、「住宅事情などで遺体をご自宅に安置する遺族は大きく減っています。今では葬儀までの間、(遺体を安置する)施設の霊安室を利用される人が7割以上です」(内山真一専務)といい、同社でもメモリアルベッドを導入したそうだ。

多死社会と葬送の変容……

 火葬場は「迷惑施設」とされることが多い。新設計画が持ち上がると、多くの場合周辺住民の反対運動が起きる。前出の相模原市も市西部で新たな斎場の建設を計画しているが、周辺住民の反発があるとされ、情勢は不透明だ。

 火葬場不足、住宅事情の変化による遺体の保管場所の問題……遺族や関係者の深い悩みの中から「友引開場」が始まったり、「メモリアルベッド」が発売されたりするなどの新たな動きが生まれた。そして今後、葬送のあり方はどう変わるのか。

 最近、都市部では「家族葬」が主流になりつつある。家族や親しい友人、知人だけが参列する小規模な葬儀だ。簡素で低コストに抑えられるイメージが強いが、新しいトレンドも生まれているという。

 フューネラルビジネスの大坪編集長は「(従来の葬儀場ではなく)自宅のような環境で料理もフレンチやイタリアンのコースを提供する施設も登場しています。少人数で故人とゆっくりお別れできると、遺族や参列者の満足度も高いようです」と説明する。

 また、遺体を一時的に保管する「遺体ホテル」も近年、東京都や大阪府、神奈川県など都市部に相次いで開業している。遺族用の宿泊室などを備える施設もあり、故人と心置きなく、ゆっくりお別れができると評価する声もある。家族葬や、葬儀を行わず火葬だけで済ます「直葬(ちょくそう)」などにも対応している。

 政府の高齢社会白書によると、日本の死亡者数は40年まで右肩上がりに増え続けると予測されている。さらに、都市部への人口の密集やマンション暮らしの増加といった実情もあり、葬儀の課題を解決する新たなサービスや製品が、今後も登場しそうだ。


プロフィル
阿部 祐子(あべ・ゆうこ)
出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーランスのライター、エディターに。2009年ファイナンシャルプランナーのCFP資格取得。社会、金融、ビジネス系記事、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛ける。

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