年間所得200万円も…弁護士はもはや負け組?

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弁護士は増え続け、民事事件は増えず

 さて、一般に事件といえば、多くの人は「刑事事件」を想像するのではないだろうか。

 ニュースなどで伝えられる事件のほとんどが、殺人や強盗、詐欺といった刑法犯にまつわるものだからだろう。だが、法曹、特に弁護士の間では、事件といえば民事事件を指す。

 民事事件とは、借金や相続問題、不倫や離婚問題に代表される男女間のトラブル、雇用の問題などが中心だ。しかし、一般の人が弁護士に依頼し、さらに訴訟を起こして解決しようと考えるケースは、今もごく少数にとどまる。

 事件の数は増えない。だが、弁護士の数だけは増え続ける。このため、「食えない弁護士」が生まれることになるのだ。

「プラチナ資格」今は昔……

写真はイメージです
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 司法試験の合格難度から「文系最高峰資格」の一つとされてきた弁護士。司法制度改革以前はどんなに営業下手でも、地道に仕事に取り組んでいれば、「弁護士登録後、10年で所得1000万円突破は堅かった」(兵庫県弁護士会所属弁護士)という。

 法曹資格さえ取れば、高収入と高い社会的地位が約束され、「ゴールド」を上回る「プラチナ資格」と呼ばれたほどだ。

 しかし、今ではM&A(企業の合併・買収)実務などを手掛ける大手渉外系事務所や、大手企業の法務部などに就職できた「エリート」でなければ、かつてのような高収入は望めなくなっているようだ。

 「弁護士余り」で就職できず、司法修習後すぐに独立する弁護士や、法律事務所から仕事を請け負って、売り上げの一部を法律事務所に「上納」しながら生活する弁護士さえいる。特に法科大学院を経て弁護士登録した「新司法試験組」は、エリートとそれ以外の能力の差が大きいとされる。

 14年の国税庁の調査によると、独立して事務所などを営んでいる弁護士の売り上げ(収入)から必要経費を差し引いた「年間事業所得」の中央値は約400万円という。単純比較は難しいが、実質的な「手取り額」は、都市部の平均的なサラリーマンより低いのではないだろうか。

 さらに、同年の日弁連のアンケートによると、事業所得200万円以下の弁護士が、なんと総数の8分の1を占めているという。業界はまさに「食えない弁護士」であふれ始めているのだ。

 そして、「食えている弁護士」も生き残りをかけて必死になっている。

 60~70代のベテラン弁護士でさえ、「ブログやツイッターを開設して、顧客にアピールする」「30分までの相談を無料にする」「1回目の相談の際は交通費や駐車場代まで負担する」などと、本業以外のサービスや宣伝活動にも力を入れているのが実情だ。

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15408 0 深読み 2018/04/05 07:20:00 2019/01/22 16:02:11 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180403-OYT8I50057-T.jpg?type=thumbnail

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