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    自動車

    トヨタ離れ?ライバルVWと手を組む日野の道理

    モータージャーナリスト 御堀直嗣

    EVシフトで激化する開発競争

    • (画像はイメージ)
      (画像はイメージ)

     商用車メーカー各社はEVシフトを加速させており、開発競争が激化している。

     昨年の東京モーターショーで、三菱ふそうはEVの小型トラックを発表した。国内の別の トラック・バスメーカーもEVトラックの開発を進めていると話していた。

     大型トラックの分野では、2018年2月にダイムラーが最大積載量11.5トンのEVトラックを21年に発売する計画を発表し、同年中に一部の運送業者と試験運用に乗り出す。

     米テスラは今年3月、荷物を積んだトレーラーを使った、EVトレーラーヘッドの試験走行を開始した。4月にはボルボが、車両総重量16トンのEVトラックを発表した。

     背景には、各国がエンジン車の販売を禁止する動きがある。

     フランスとイギリスの両政府は17年7月、相次いで40年からのエンジン車販売禁止を打ち出した。これを受け、世界の自動車メーカーはEVの開発・販売を本格化させた。そして、トラックやバスなどの商用車部門でもEV化への動きが急展開している。

    トヨタのせいでEV化に乗り遅れた?

     商用車のEVシフトが本格化する中、ハイブリッドトラックを製造しているにもかかわらず、日野には目立ったEV化の動きが見られなかった。

     背景には、親会社トヨタの影響があるのではないだろうか。

     日野は、トヨタが1997年にプリウスを販売するより早く、世界初のハイブリッド市販車となる大型路線ハイブリッドバスを発売している。現在は、トヨタとともに燃料電池(FC)バスの共同開発に取り組んでいる。

     早くから次世代車の開発に熱心だったが、トヨタと日野はニッケル水素バッテリーをいち早く実用化したことがかえって災いし、リチウムイオンバッテリーの取り組みで残念ながら出遅れた。

     トヨタは、現行プリウス(4世代目)でリチウムイオンバッテリー搭載車をそろえたが、従来からのニッケル水素バッテリーも併用している。燃費性能の数値はどちらも同じとカタログ表記されるが、乗り比べてみると、明らかにリチウムイオンバッテリー搭載車の方が、充放電性能やEV走行性能で勝ると感じた。この点については、バッテリー担当の技術者も同意していた。

     リチウムイオンバッテリーの方が、ニッケル水素バッテリーより搭載体積は小さい。これは、積載重量や積載空間が重要視されるトラックにおいて死活問題となる。にもかかわらず、なぜ、トヨタはニッケル水素バッテリーを使い続けるのか。調達コストを考えてのことだろうが、リチウムイオンバッテリーも大量に仕入れられるルートを確保すれば原価を下げられるはずだ。このあたりの調達状況に課題があるのかもしれない。

     トヨタも17年から乗用車の電動化への動きを早めているが、本格的なEVの導入はもう少し先になりそうだ。

     もう待ちきれないというのが日野の本音だろう。

    2018年04月19日 07時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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