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    ピカチュウは大福? 初めて明かされる誕生秘話

    『ポケットモンスター 赤・緑』キャラクターデザインチーム

    「もっと可愛く!」”カビゴン”のこだわり

    ――そこから、ゲームで登場するピカチュウになるまで紆余曲折(うよきょくせつ)があったのでしょうか。

    • 杉森建氏(すぎもり・けん)ゲームフリーク創設メンバーの一人で、『ポケットモンスター 赤・緑』ではキャラクターデザインやイラストなどを担当した。現在は同社取締役(4月下旬、東京都港区で=宮崎真撮影)
      杉森建氏(すぎもり・けん)ゲームフリーク創設メンバーの一人で、『ポケットモンスター 赤・緑』ではキャラクターデザインやイラストなどを担当した。現在は同社取締役(4月下旬、東京都港区で=宮崎真撮影)

    西野 僕とにしださんがやり取りしながらピカチュウを作り込んでいったのですが、僕自身がピカチュウという名前の響きが「可愛い」と思い、そこからどんどんピカチュウを好きになっていきました。このため、(大福のような)デザインを見せられた時、にしださんに「もっと(デザインも)可愛くしてほしい」とお願いしました。

    杉森 (西野氏は)見た目はこんな(大柄)で、ポケモン「カビゴン」のモデルでもあるんです。でも、可愛いものには異常にうるさいんですよ。

    西野 元々、ファンシーなキャラクターが好きだったんです。何(のキャラクター)が好きかと問われると難しいのですが、可愛いものはパッと見て気に入ってしまうようなところがありまして……。

    にしだ (西野氏に)「もっと可愛く!」と言われ、「ああ悔しい!」と思いました。なんとか首を縦に振らせたいと思い、夢中で(修正しました)。

    ピカチュウ、モデルは「あの動物」?!

    ――西野さんは何度も突き返したのですか?

    • 西野弘二氏(にしの・こうじ) 『ポケットモンスター 赤・緑』ではゲームプランナーとして、ポケモンの出現率・強さなどのデータ設計を主に担当。現在もゲームフリークのプランナーとして活躍(4月下旬、東京都港区で=宮崎真撮影)
      西野弘二氏(にしの・こうじ) 『ポケットモンスター 赤・緑』ではゲームプランナーとして、ポケモンの出現率・強さなどのデータ設計を主に担当。現在もゲームフリークのプランナーとして活躍(4月下旬、東京都港区で=宮崎真撮影)
    • 西野氏がモデルになったポケモン「カビゴン」
      西野氏がモデルになったポケモン「カビゴン」

    西野 いえ、すぐに(初期の完成形に)近い形にはなりましたね。

    にしだ (でんきタイプなので)「(電気を)ほお袋にためるというのがいいな」と思いました。当時、私の中で「リス・ブーム」が起こっていて、(リスはエサをほお袋にためるため)ほお袋をつけたいと思いました。あと、リスは尻尾も可愛いので(尻尾も付けました)。ただ、「雷」のパーツも付けたかったので、尻尾は雷っぽい形状にしました。

    ――にしださんは、リスを飼われていたのでしょうか。

    にしだ 飼っていませんが、自分の中で「飼いたいブーム」が来ていたのです。世間でブームだったわけではないのですが。動物が好きで、当時はフェレット(イタチ科の小動物)や亀を自宅で飼っていたのですが、リスの動きがコミカルで可愛かったので、リスも飼いたいと思っていました。

     (電気をためる部分として)ほお袋だけ、リスを参考にしました。例えばハムスターだと、(エサをためると)全体が丸くなるように見えるじゃないですか? でも、リスはここ(ほお)だけですから。

    ――ゲーム上では、ピカチュウは出現しにくい「レアキャラ」ですね。

    西野 ちょっとお恥ずかしいのですが、僕が(ピカチュウを)好きすぎたので、「他の人にはなるべく触らせたくない」と気持ちになってしまって。当初は、単純に「隠す」つもりだったんです。

    杉森 出現率をほかのポケモンと比べ、ものすごく低くしたんですよ。(西野氏に)謎の独占欲が働いたんですね。

    西野 出現率を低くすれば、あまり(プレーヤーに)捕られずに済むだろうと思いまして。結果的に、逆に価値が生まれてしまって、攻略本などに「ピカチュウをまず捕まえよう」と書かれてしまった。気付いたら、みんな持っていて、意図が裏目に出ました……。

    2018年05月02日 14時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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