完了しました
大福の「名残り」も……
――「大福」の時には、ほお袋はなかったということですね。

にしだ ないです! 大福の時に(ほお袋は)存在しなかったんです! (可愛くする過程で)ほっぺたに「ためる感」を出したかったので(追加しました)。とはいえ、リスを参考にしたのは、ほおだけで、それ以外は自分が可愛いと思ういろいろなパーツを組み合わせていきました。
――耳の先などは黒いですよね。
にしだ それは、たぶん大福の時の名残りです。
――体が黄色になった経緯を教えてください。
杉森 ゲームボーイって(白黒しか)色がなかったんです。だから、(「赤・緑」の)開発当初はポケモンにも完全に色がなかったんです。白黒で表現するので、(ドット画のような)塗り分けになったんです。
ゲームの開発中(の1994年)に「スーパーゲームボーイ」という、(当時大人気だった任天堂の家庭用ゲーム機である)スーパーファミコンに差すと、ゲームボーイのソフトをテレビでも遊べるようになるアダプターが発売されました。
スーパーゲームボーイでは(ゲームに)疑似的に着色する機能があって、その時に初めてポケモンに色を付けるのが可能になったんです。色を決めたのは僕で、黄色というのは(電気の)「属性色」といいますか、タイプごとにわかりやすい色を付けていこうと思い、それなら黄色かな、と。
――背中のしま模様も特徴的ですね。
にしだ これはそれほど深く考えたわけではないのですが、ポケモンはバトル(戦闘)で戦わせるときに後ろを向くじゃないですか。その時に背中がつるんとしていると(寂しいですから)。
――ゲームではピカチュウは「ライチュウ」までしか進化しませんが、当初は3段階だったそうですね。なぜ2段階になったのでしょう。
にしだ はい。「ピカ(チュウ)」「ライ(チュウ)」「ゴロ(チュウ)」だったんです。ゴロチュウというポケモンは、牙がむき出しで、角も2本生えていました。
杉森 見た目に問題があったわけではないのですが、ゲーム(全体の)バランスを取る都合上(削除しました)。