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    社会

    職場が生む「ぶら下がりワーママ」とは?

    ワークシフト研究所所長 国保祥子

    「ぶら下がり」を避けたいワーママはどうすべき?

    • 写真はイメージです
      写真はイメージです

     ただし、ワーママ側も、上司への過剰な期待は避け、自分ができることは自分で努力してやり遂げるよう心掛けたほうがよい、と筆者は考えています。

     そのための方法も提案したいと思います。まずは、最初から「自分には仕事と子育ての両立は無理だ」とあきらめず、うまく両立している「先輩」らを観察し、彼女らが実践していることを学びます。勤務先に手本となる「ロールモデル」がいない場合は、ぜひ社外での出会いを探してほしいと思います。

     といっても、すべて自分だけでなんとかしようという考え方では、早々に破綻します。いざという時、自分だけで抱え込まずにすむ仕組みを作っておくことが肝要です。欧米の例を見ても、女性だけが家事や育児をしているわけではないから女性が活躍できる、といえます。

     例えば、実家の両親を頼れない場合は、夫(パートナー)の協力なしに、スムーズな子育てや家事は不可能です。時間がある育休のうちにしっかりと話し合って協力体制を築くよう心掛ける必要があります。最近は男性の育休取得も進み、男性側の意識の変化も感じます。

     もしどうしても協力が期待できないのであれば、家事代行サービスやベビーシッターなどに「アウトソース(外注)」をすることも検討するとよいと思います。筆者も定期的に依頼していますが、依頼者とベビーシッターらは「労使関係」というより、いざという時に頼り、頼られる「子育てチーム」です。最近はスマートフォンなどから手軽に家事を依頼できるサービスも登場しています。

    上司の目線を学ぶ勉強会も

     筆者は「育休プチMBA」という育休中の女性らを対象とした勉強会の代表を務めています。そこでは、職場復帰に向け、上司の目線でものごとを判断するための思考を学んでいます。そこで学んで復職した人たちからは「育休前よりも高く評価されるようになった」「上司との関係がよくなった」という声をよく聞きます。

     育休期間を利用し、部下(女性)側が上司とのコミュニケーション能力を身につけるという「対症療法」的な手法ですが、上司に過剰な期待をするのではなく、「自分が変わる」ことが、ぶら下がり問題を回避するためのより現実的な戦略と言える、と筆者は考えています。そして、育休期間を学びの時間に充てることで、出産はキャリアのブランクどころか、成長のきっかけにもなるのです。

    プロフィル
    国保 祥子( こくぼ・あきこ
     博士(経営学)。株式会社ワークシフト研究所所長、育児プチMBA(R)代表。静岡県立大学経営情報学部講師、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師、早稲田大学WBS研究センター招聘研究員、上智大学非常勤講師。専門は組織マネジメント。Learning Communityを使った意識変革や行動変容を得意分野とする。2014年育児プチMBA勉強会を立ち上げ、15年には組織開発プログラムなどを手掛けるワークシフト研究所を共同設立。著書に『働く女子のキャリア格差』(ちくま新書)


    2018年06月07日 11時22分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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