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    国際

    米朝首脳、「歴史的会談」に成果はあったのか

    龍谷大学教授 李相哲
     米国のトランプ大統領と北朝鮮の 金正恩 ( キムジョンウン ) 朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が12日、シンガポールで行われた。会談後に両首脳が署名した共同声明には、いわゆるCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)が盛り込まれず、落胆の声も聞かれるが、両首脳が会ったことには少なくない意味がありそうだ。今回の会談の成果について龍谷大学の李相哲教授に聞いた。(聞き手・読売新聞メディア局編集部次長 田口栄一)

    共同声明、目標の3分の1を達成

    • 米朝首脳会談後、共同声明に署名するトランプ米大統領(右から2番目)と金正恩朝鮮労働党委員長(左から2番目)=ロイター
      米朝首脳会談後、共同声明に署名するトランプ米大統領(右から2番目)と金正恩朝鮮労働党委員長(左から2番目)=ロイター

    ――米朝首脳会談および共同声明をどう評価するか。

     「共同声明の文面だけで評価するのであれば、当初の目標の3分の1が達成されたと言うべきだろう。CVIDのC、すなわち『完全な(Complete)』非核化の意思までは確認したが、それより大事な『いつまでに』『どうやって』という内容が入らなかった。

     1992年2月の南北非核化合意、2005年9月の6か国協議での非核化合意が、いずれも履行に至らなかったのは、『北朝鮮が核プログラムを破棄したことをどうやって検証するか』という点に関する交渉で時間を費やし、結局、物別れになったからだ。今回の共同声明は、検証について言及していないし、いつまでという期限も区切っていない。

     ただ、以下の二つの点は注目すべきだ。まず、米朝首脳同士が約束を交わし、世界中の人々が見守る中での合意だったということ。北朝鮮にとって、約束を守らなければならないプレッシャーはかなり大きいはずだ。史上初めて米朝首脳が直談判をし、約束を交わしたことには、それなりの意味があった。

     次に、トランプ大統領は米国の国務長官がすぐに北朝鮮と接触を始めると語っていることにも注目すべきだ」

    2018年06月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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